出会い系喫茶経営者が風営法違反(無許可営業)で逮捕のニュースは誤認逮捕か!?

風営法の無許可営業について

風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)の無許可営業での逮捕事例については,何度かこのHPで解説している。

よく出てくるのが,以下の2つのケースだ。

キャバクラやホストクラブなどの接待をする飲食店で必要となる風営法の1号営業の許可を取らずに営業していたガールズバー,ゲイバー,サパーなどが接待行為をして,逮捕されるケース。

キャバクラやホストクラブの実質的な経営者やオーナーが深夜営業や客引き行為などによる摘発を逃れるため従業員等の名義で許可を取るなど,実質的な経営者とは別人名義で1号許可を取っていて逮捕されるケース。

無許可営業,名義貸し,キャバクラ経営者ら逮捕!?

風営法の1号許可を受けずに接待営業をした場合に,無許可営業となる。

その罰則は,2年以下の懲役200万円以下の罰金だ。

出会い系喫茶経営者が風営法違反(無許可営業)で逮捕されたニュース

今回の事例では,出会い系喫茶が,無許可営業で逮捕された。

“出会い系の女性客”実は従業員 届け出と異なり初摘発

知らない男女が出会う、「出会い系喫茶」をうたいながら、実際は、従業員の女性に男性客を接待させるなどした疑いで、経営者らが逮捕された。

東京・新宿区の「モモカフェ新宿一番街」経営者の〇〇容疑者(37)らは、出会い系喫茶を装って、女性従業員に女性客のふりをさせて、個室で男性客相手に缶ビールやスナック菓子などを提供し、接待をさせた疑いなどが持たれている。

風営法改正後に、出会い系の店の営業実態が届け出の内容と違うとして、無許可営業で摘発されたのは、全国で初めて。

https://www.fnn.jp/posts/00413861CX

このニュースを素直に読むと…

出会い系喫茶なのに,サクラの従業員を使って接待させた。

接待させるためには風営法の1号営業の許可が必要でしょ。

それなのに1号営業の許可を取っていないから,無許可営業で逮捕したよ。ということだろう。

しかし,以下でみるように,この逮捕には大きな間違いがある。

風営法上の出会い系喫茶営業とは?

出会い系喫茶営業とは「店舗を設けて、専ら、面識のない異性との一時の性的好奇心を満たすための交際(会話を含む。)を希望する者に対し、当該店舗内においてその者が異性の姿態若しくはその画像を見てした面会の申込みを当該異性に取り次ぐこと又は当該店舗内に設けた個室若しくはこれに類する施設において異性と面会する機会を提供することにより異性を紹介する営業(当該異性が当該営業に従事する者である場合におけるものを含み、同項第一号(ソープランド)又は第二号(店舗型性風俗店)に該当するものを除く。)」だ。

分かりづらいね。

ざっくりというと,エッチなことをしたい異性の出会いの場を提供する店舗だ。

本件逮捕は誤認逮捕?

上記の出会い系喫茶営業の定義は,風営法2条6項6号・風営法施工令5条に記載されている。

注目すべきは,風営法施工令5条の以下の文言だ。

当該異性が当該営業に従事する者である場合におけるものを含み」と記載されている。

そして,風営法の解釈運用基準第5条6項1号では,上記文言の解釈について以下の記載がある。

「「当該異性が当該営業に従事する者である 場合」、すなわち客の面会の相手方として異性の客を装った者を使用している 場合(営業者と雇用関係にはないが実態として営業者の事実上の指揮下にある ような者等を紹介する場合を含む。)も、当該営業に含まれる。

すなわち,

出会い系喫茶の従業員が紹介される場合や従業員をサクラとして紹介したり,面会の機会を提供することも出会い系喫茶営業に含まれるのだ。

面会の機会を提供されたサクラの従業員が,面会中,「接待」と言えるような談笑などをしたとしても,それはこの出会い系喫茶営業の想定内のはずだ。

だとすると,本件逮捕は,法の適用を誤った誤認逮捕ではないか?

正直,当法律事務所の弁護士の経験から,警察官も検察官も風営法については詳しくないなと思うことがよくある。今回のケースでも風営法について詳しくない警察が法解釈を誤って逮捕した可能性がある。

この出会い系喫茶経営者に風営法に詳しい弁護人がつき,法の適用についてしっかりと整理した意見書を検察庁に提出すれば,早期の釈放を勝ち取れ,結果不起訴性分となる可能性があるのではないかと考える。

出会い系喫茶営業に関する風営法,風営法施工令,風営法解釈運用基準の条文

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

(用語の意義)
第二条
6 この法律において「店舗型性風俗特殊営業」とは、次の各号のいずれかに該当する営業をいう。
六 前各号に掲げるもののほか、店舗を設けて営む性風俗に関する営業で、善良の風俗、清浄な風俗環境又は少年の健全な育成に与える影響が著しい営業として政令で定めるもの

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行令

第五条 法第二条第六項第六号の政令で定める営業は、店舗を設けて、専ら、面識のない異性との一時の性的好奇心を満たすための交際(会話を含む。)を希望する者に対し、当該店舗内においてその者が異性の姿態若しくはその画像を見てした面会の申込みを当該異性に取り次ぐこと又は当該店舗内に設けた個室若しくはこれに類する施設において異性と面会する機会を提供することにより異性を紹介する営業(当該異性が当該営業に従事する者である場合におけるものを含み、同項第一号又は第二号に該当するものを除く。)とする。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準

平成30年1月30日警察庁生活安全局長 通達 

6 出会い系喫茶営業(法第2条第6項第6号)
(1) 令第5条に規定する営業には、いわゆる出会い系喫茶営業が該当するが、こ れは、店舗を設けて、専ら、面識のない異性との一時の性的好奇心を満たすた めの交際(会話を含む。)を希望する者に対し、
1 当該店舗内においてその者が異性の姿態若しくはその画像を見てした面会
の申込みを当該異性に取り次ぐこと又は
2 当該店舗内に設けた個室若しくはこれに類する施設において異性と面会す
る機会を提供すること により異性を紹介する営業をいう。
1及び2の営業形態のいずれについても、「面会の申込み」を行う者は男女 のいずれであるかを問わず、また、「当該異性が当該営業に従事する者である 場合」、すなわち客の面会の相手方として異性の客を装った者を使用している 場合(営業者と雇用関係にはないが実態として営業者の事実上の指揮下にある ような者等を紹介する場合を含む。)も、当該営業に含まれる。ただし、個室 付浴場業又は店舗型ファッションヘルス営業に該当する営業は除かれる。
(2) 令第5条中「店舗」の意義については、第3中3を参照すること。
(3) 令第5条中「専ら」の意義については、法第2条第6項第3号等の「専ら」
と同義(3(2)を参照すること。)であるが、「専ら」に該当するかどうかは、 当該営業を営む者の意図及び当該営業の実態を踏まえて判断することとなる。 具体的には、その営業形態や広告・宣伝の方法等の客観的な要素を勘案するこ とにより判断する。
(4) 令第5条中「一時の性的好奇心」とは、典型的には「あるときふと催した性 的感情」という意味で、結婚あるいはこれに準ずる安定した関係を異性と築き たいとの真摯な動機に基づく性的感情を除く趣旨である。すなわち、ここにい
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う「一時の」とは、期間の長短という量的なものではなく、当該営業を通じた 交際の相手方が偶然居合わせた面識のない異性であるという質的な視点で捉え るものであるため、例えば、この種の交際が結果として長期化する場合があっ たとしても、「一時の性的好奇心を満たすための交際」と判断されることとな る。
なお、この場合の「交際」には、会話を含むものと規定されているが、これ は「交際」に会話が含まれることを確認的に規定したものである。
(5) 令第5条中「面会」とは、人と直接に会うことをいう。
(6) 令第5条中「姿態若しくはその画像を見て」と規定したのは、人の姿態を直
接見せるもの(マジックミラー等を通して見せるものを含む。)のほか、写真、 静止映像やビデオの映像のような「動く映像(動画)」を見せることも含む趣 旨である。また、一般的に全身を見せる場合だけでなく、顔だけを見せるもの もこれに含まれる。
(7) 令第5条中「当該異性に取り次ぐこと」とは、面識のない異性との一時の性 的好奇心を満たすための交際(会話を含む。)を希望する者からの面会の申込 みについて、当該面会の申込みを当該異性に伝達することをいうが、面会自体 が店舗内で行われることを要しない。
(8) 令第5条中「これに類する施設」とは、個室に準じた区画された施設をいい、 例えば、他から見通すことが困難となるように部屋がカーテン等で個々に区分 されているもの等をいう。

 

メンズエステ経営者が風営法違反(禁止地域営業)で逮捕!

メンズエステと言えば…ヌキなしの健全なメンズエステで女性エスティシャンに対する強制性交の疑いで逮捕された俳優新井浩文氏が話題になったが。

今回は,メンズエステの経営者が風営法違反で逮捕されたニュースだ。

しかも,その容疑は,「メンズエステ店で女性従業員に男性客の太ももの付け根付近をマッサージさせた」というものだ。どういうことだろうか??

まずは,ニュースを見てみよう。

メンズエステの経営者が風営法違反で逮捕されたニュース

「性的ではない」と太もも付け根付近をマッサージか Mエステ店が風営法違反疑い
3/2(土) 22:36配信 神戸新聞NEXT

メンズエステ店で女性従業員に男性客の太ももの付け根付近をマッサージさせたとして、兵庫県警歓楽街総合対策本部と同県警姫路署などは2日、風営法違反(禁止地域営業)の疑いで、姫路市の自営業の男(45)を逮捕した。メンズエステ店は風営法の「グレーゾーン」とされ、県内での摘発は珍しいという。

逮捕容疑は1月29日午後2時半ごろ、同市のマンションの一室で、女性従業員が男性客に性的なマッサージをする店を営んだ疑い。同署の調べに「太もも付近のマッサージはしているが、性的なものではない」と容疑を否認しているという。

同署によると、「マンションの一室で性風俗営業をしている」との情報提供があり、捜査を進めていた。同署などは3月2日、男の自宅やメンズエステ店として使用された部屋などを捜索した。

メンズエステ店では、男性客に性的サービスを求められた女性が性的暴行の被害に遭うなどのトラブルが相次いでいるという。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190302-00000018-kobenext-l28

風営法違反・禁止地域営業とは?

風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)では,ソープランドや箱ヘルなどの店舗型性風俗特殊営業について,その営業をしてはいけない禁止区域を定めている

そして,風営法は,その具体的な範囲について,各都道府県の条例に委任をしている。

簡単に説明すると,風営法は,学校とか図書館などの保護対象物件から近いところには店舗型の風俗店は作ってはいけませんと定めている。また,条例が定める地域でも店舗型の風俗店は作ってはいけませんと定めている。

もっとも,この風営法の規定ができる前から届出を出して営業していた風俗店は例外として認めるよとも定めている。

この禁止区域の規定があるため,現在では,新規で店舗型の風俗店を開業することは極めて難しくなっている。

なお,禁止区域で店舗型風俗店を営業した場合の罰則は,2年以下の懲役200万円以下の罰金と重い。

風営法

(店舗型性風俗特殊営業の禁止区域等)
第二十八条 店舗型性風俗特殊営業は、一団地の官公庁施設(官公庁施設の建設等に関する法律(昭和二十六年法律第百八十一号)第二条第四項に規定するものをいう。)、学校(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定するものをいう。)、図書館(図書館法(昭和二十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定するものをいう。)若しくは児童福祉施設(児童福祉法第七条第一項に規定するものをいう。)又はその他の施設でその周辺における善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為若しくは少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止する必要のあるものとして都道府県の条例で定めるものの敷地(これらの用に供するものと決定した土地を含む。)の周囲二百メートルの区域内においては、これを営んではならない。
2 前項に定めるもののほか、都道府県は、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要があるときは、条例により、地域を定めて、店舗型性風俗特殊営業を営むことを禁止することができる。
3 第一項の規定又は前項の規定に基づく条例の規定は、これらの規定の施行又は適用の際現に第二十七条第一項の届出書を提出して店舗型性風俗特殊営業を営んでいる者の当該店舗型性風俗特殊営業については、適用しない。

第七章 罰則
第四十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
五 第二十八条第一項(第三十一条の三第二項の規定により適用する場合及び第三十一条の十三第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
六 第二十八条第二項(第三十一条の三第二項の規定により適用する場合及び第三十一条の十三第一項において準用する場合を含む。)の規定に基づく都道府県の条例の規定に違反した者

メンズエステとは?

メンズエステには,2種類ある。

1つは,風営法上の性風俗特殊営業の届出を出して営業している風俗店。

もう1つは,上記届出を出していない非風俗店。

この非風俗店タイプのメンズエステが今回問題となっているメンズエステだ。非風俗店のメンズエステが性風俗営業をすると,無届営業や店舗型の場合には上記の禁止区域営業として,逮捕・摘発されてしまう。

風営法の届出が必要なメンズエステの境界線は??

では,性風俗として,届出をしなければいけないのはどんな場合だろううか?

風営法は,性風俗について,「異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業」と定めている。

「異性の」とあるので,同性のエスティシャンの場合にはこれには当たらない。なお,同性愛者専用のゲイ風俗・レズ風俗・ニューハーフデリヘルなども風営法の性風俗の届出の対象とならない。

エステである以上は,「客に接触する」のは止むを得ないだろう。

問題は,「客の性的好奇心に応じて」いるかどうかだ。

ヌキありの店の場合はこれにあたるだろう。ただ,今回のニュースでは,「男性客の太ももの付け根付近をマッサージさせた」だけだ。これだけが理由で逮捕されたのであろうか??

「マンションの一室で性風俗営業をしているとの情報提供があり、捜査を進めていた。」とあるので,情報提供後,警察は数ヶ月かけて内偵捜査をしていたことが予想できる。そうなると,その内偵捜査の際に,ヌキがあったり,そのような働きかけがあったのではないか?と思う。

風営法の届出を出さないメンズエステ店が気をつけることとは??

性風俗行為をさせないこと。

それを徹底させること。

そして,その証拠を残すことが必要だ!

女の子が勝手にやってた…。という主張が聞こえてきそうだ。これが認められるかどうかという論点は,デリヘル等の風俗で本番行為が行われていて売春防止法違反で店側が逮捕されたときに,女の子が勝手やっていたという主張がとおるかどうかという論点と非常によく似ている。

店側としては,何が,禁止されているのかを具体的に女性エスティシャンに指示をし,証拠化しておく必要がある。また,その禁止事項を実効化する対応も必要だろう。

当法律事務所の顧問先にも非風俗のメンズエステ店の経営者の方も増えてきている。

みなさま,契約書等を整え,その後の対策をしっかりとしていってくださいませ。

 

 

 

デリヘルで盗撮をした客は逮捕されるか!?

風俗トラブルの2大巨頭といえば,本番トラブルと盗撮トラブルだ。

前回は,風俗トラブルのうちの本番トラブルと逮捕について,記載したので,こちらも参照してほしい。

デリヘル等の風俗で本番をした客は逮捕されるか?本番強要と刑事事件について

 

今回は,デリヘル等の風俗での盗撮と逮捕,刑事事件化について説明する。

風俗トラブルの中でも盗撮被害が増えてきている?

カメラの高性能化や小型化などが原因なのか,スマホのカメラが高性能化しており気軽に撮影ができてしまうことが原因なのか…

後述する警察白書によると,スマホも含めた携帯電話で撮影されるケースが多いようだ。

上記データは風俗に限らない盗撮一般のデータだが,近年デリヘルなどの風俗店で働く女性キャストが盗撮被害にあうケースも増えているように感じる。実際,当法律事務所の弁護士のところにも,風俗店経営者やデリヘルで働く風俗嬢の方から,盗撮被害にあってしまったという相談が増えてきている。

悪質なケースでは,盗撮犯を問いただしてカメラを確認したところ,複数の風俗嬢とのプレイ動画が出てきたケース,インターネット上のアダルト動画販売サイトで盗撮をした動画を販売していたケースなどもあった。

風俗での盗撮は,風俗嬢にとっては死活問題だ。

盗撮をされただけでも気持ち悪いし,精神的に大きな苦痛を受ける。さらに,万が一インターネット上に流出してしまえば,その動画を完全に消し去ることが難しくなってしまう。動画の削除自体はできるとしても,風俗盗撮動画をダウンロードをした他の人がまたアップロードしてしまう可能性があるからだ。

デリヘルの経営者側としても,盗撮被害が広まれば女性が辞めてしまったり,求人が難しくなってしまったりとその損害は大きい。そのため,盗撮を防ぐ教育をしていくとともに,盗撮をされてしまった場合には早急に適切な対応を採る必要がある。

その1つが,本日のテーマである警察への被害届の提出や刑事告訴だ。

デリヘル等の風俗店での盗撮と犯罪

デリヘルの場合は,自宅かホテルを利用してサービスを受ける場合が多いだろう。ソープランドやイメクラ等の店舗型の場合には,その風俗店のプレイルームでサービスを受ける。

このような個室での盗撮は何罪に該当するのだろうか?

各都道府県の迷惑防止条例違反,軽犯罪法違反,わいせつ電磁的記録頒布・同目的所持罪が考えられる。

東京都の迷惑防止条例が昨年7月に改正されたことについては,過去の記事でも述べた。

東京都迷惑防止条例改正 〜風俗での盗撮が明確な犯罪行為になった!〜

それぞれについて,見ていこう。

迷惑防止条例と盗撮

各都道府県には,迷惑防止条例がある。東京都の迷惑防止条例の正式名称は,「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」だ。

迷惑防止条例での盗撮とは「正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であって、人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること」をいう。

盗撮行為のみならず,盗撮目的でカメラ等を設置する行為自体も犯罪行為になっている。

そのため,理屈上は,実際に動画などを撮られる前であっても警察が逮捕することは可能なのだ。ただ,その場合には,盗撮目的でカメラを設置したことの立証が難しくなってしまうため,事実上,警察が動いてくれる可能性は低くならざるを得ないだろう。

平成29年の警察白書によると,警察は盗撮行為については一般的に迷惑防止条例違反で逮捕等の取り締まりを行なっているようだ。また,盗撮事犯を抑止するための取締りの強化も実施しているとのことだ。

以下,引用する。

盗撮事犯については、一般的に都道府県迷惑防止条例等違反で検挙している。平成24 年中の迷惑防止条例等違反のうち、盗撮の検挙件数は2,408件であった。盗撮事犯の犯 行場所、盗撮行為に利用された供用物は、下の表のとおりであり、スマートフォンや携 帯電話を悪用する盗撮事犯が多くなっている。
警察では、盗撮事犯の抑止を図るため、広報啓発活動や取締りの強化を実施している。

https://www.npa.go.jp/hakusyo/h25/youyakuban/youyakuban.pdf

このように,警察では盗撮事犯の増加を重く受け止めて,その取締りの強化をしているようだ。

さらに,昨年7月に東京都の迷惑防止条例が改正され,盗撮行為の処罰範囲が広がった。改正前の東京都の迷惑防止条例では,その規制範囲が限定されていたのだ。

具体的には,「公共の場所・公共の乗物、公衆便所、公衆浴場、公衆が使用することができる更衣室、公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場所」での盗撮行為のみが罰則の対象だったのだ。

デリヘルで利用する自宅やホテルの室内,店舗型風俗店のプレイルームは公共の場所などの上記の罰則の対象ではないため,改正前の東京都の迷惑防止条例では,風俗店での盗撮を処罰することができなかったのだ。

この改正は,前述した,スマホの普及やカメラ機器の高性能小型化によって,公共の場所以外での盗撮被害が多発していることを受けて,その処罰範囲,盗撮行為の「規制場所」を拡大したのだ。

https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/about_mpd/keiyaku_horei_kohyo/horei_jorei/meiwaku_jorei.html

具体的には,「住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」が対象に含まれるようになった。これによって,デリヘルなどの風俗で利用する自宅やホテルの室内,プレイルームでの盗撮行為も処罰対象になったのだ。

その罰則は,1年以下の懲役,100万円以下の罰金だ。

常習犯の場合は,2年以下の懲役,100万円以下の罰金となる。

なお,東京都以外の各都道府県も概ね同じような改正がなされ,風俗での盗撮を処罰可能になってきている

ただ,それぞれの都道府県によって,条文の中身が若干異なっていたり,まだ改正がなされていなかったりすることもあるので,そこはしっかりと条文を確認をしてほしい

以上のように,警察は,盗撮行為の取り締まりに意欲的であり,東京都でも迷惑防止条例を改正し公共の場所以外での盗撮を処罰対象に拡大し,迷惑防止条例違反での盗撮犯の逮捕や自宅等の捜索などをしてくれる可能性が高まってきていると言えるだろう。

公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例

(粗暴行為(ぐれん隊行為等)の禁止)
第5条第1項 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
(1) 省略
(2) 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し 向け、若しくは設置すること。
イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)

(罰則)
第8条第2項 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
(1) 第5条第1項(第2号に係る部分に限る。)の規定に違反して撮影した者

第7項 常習として第2項の違反行為をした者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

軽犯罪法と盗撮

軽犯罪法では,のぞき行為を処罰する条文があり,窃視罪などと呼ばれている。

人の住居や浴場など,その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者が処罰対象だ。盗撮だけではなく,のぞき行為自体を処罰する法律だ。

前述のごとく,警察としては,盗撮行為については,迷惑防止条例違反で取締りをしようと考えているようだ。

ただ,まだ迷惑防止条例の規制対象が公共の場所等に限定されている都道府県もあるため,その場合には,軽犯罪法による逮捕等も考えられるところだ。

もっとも,その罰則は軽く,1日以上30日未満の拘留か,千円以上1万円未満の科料となっている。

軽犯罪法
第一条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
二十三 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者

わいせつ電磁的記録の頒布罪・同有償頒布目的所持罪と盗撮

わいせつ電磁的記録の頒布罪・同有償頒布目的所持罪は,風俗での盗撮動画が販売されたり,インターネットに流出させたりした場合に適用される。

実際に,当法律事務所の弁護士が盗撮被害を受けた風俗店,風俗嬢から相談を受け,対応したケースでも,風俗での盗撮動画をインターネット上の動画サイトで販売していた犯人が同罪で逮捕されるに至った。

わいせつ電磁的記録の頒布罪とはどんな犯罪なのだろうか?

要するに,わいせつな動画を配ったり,売る目的で所持したらいけませんという罪だ。何が「わいせつ」かどうかについては,曖昧で,議論の対象となるところだ。

古い判例では,わいせつとは,いたずらに性欲を興奮・刺激させ,正常な性的羞恥心を害し,善良の性的道義観念に反するものだと定義された。法学部生の多くが一度は覚えるものだ。

こんな定義されてもよくわからんよね。

実務上は,無修正で性器が写っているものを「わいせつ」と考えているようだ。

風俗での盗撮の場合,盗撮された動画や画像などに無修正の性器が写っており,これがインターネット上で販売されている場合には,わいせつ電磁的記録の頒布罪などに該当する。

同罪の罰則は,2年以下の懲役250万円以下の罰金だ。

刑法 第百七十五条(わいせつ物頒布等)
1 わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。

2 有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。

風俗での盗撮で警察は犯人逮捕に動くのか!?

以上のように,デリヘル等の風俗での盗撮行為も犯罪行為に該当する。

とはいえ,実際に警察は動いてくれるのか??

警察に被害相談に行ったが事件化してくれなかった。話し合いで解決するように言われてあしらわれてしまった。そのようなケースも確かに存在する。

しかし,前述したように,現在,警察は盗撮事犯の取締りを強化している。

また,盗撮は,本番とは異なり,盗撮をした明確な証拠を確保できることが多い。盗撮をしたカメラなどを確保できればそれ以上確実な証拠はないのだ。

盗撮被害にあった場合には,すぐにお店や弁護士の協力を得て,盗撮行為を認めさせ,証拠となるカメラを確保することが,その後の被害届の提出や刑事告訴のためにも重要となる。

もちろん,民事事件として,損害賠償請求をする際にもこれらの証拠が重要となる。

ホスラブ削除マニュアル 〜誹謗中傷投稿と一緒に悩みも消せるかもよ〜

ホスラブ(ホストラブ)に書かれた悪口,誹謗中傷,個人情報,リベンジポルノ,風評被害情報を削除したい。
ホスラブに書き込みをしたやつを特定して損害賠償請求や刑事告訴をしたい。

今回は,そんなホスラブの誹謗中傷レスやスレッドの削除方法について説明しよう!

当法律事務所では,このHPのタイトルからも分かるように

デリヘル,ソープランド,イメクラ,箱ヘル,ピンサロ,メンズエステ等の風俗
キャバクラ,ホストクラブ,スナック,ガールズバー,ラウンジ等の水商売

といった,ナイトビジネス関連の顧問弁護士をしている。
そのため,ホスラブへの書き込み被害について,多くの相談を受け,解決してきた

ホスラブの書き込みは削除請求,特定のための開示請求ができる!

ホスラブで本番嬢だと叩かれた,枕ホストと叩かれた,個人情報晒された…
陰湿な書き込みをする人が後を絶たない。

そんな書き込みにより売上が落ちたり日常生活に支障がでたりして,傷ついている方々

あなたは叩いている人よりも,優れているんだ!僕はそう思う。
あなたが実生活で活躍しているから,売れっ子だから,好かれているから,一生懸命頑張っているからこそ,妬まれたり,愛情の裏返しで叩かれたりするんだと思う。

だって,何もしてない人,目立ってない人は叩かれにくいもん。
だから,ムカつくし,悔しいし,実際に被害にあって大変な思いをしているかもしれないが,引き続き頑張って欲しいと願う。

そんな,あなたを傷つけ,落ち込ませ,営業を邪魔する書き込みへの対処法を示し,実際に削除や特定を代理することで,日々頑張っているあなたの一助になれたら嬉しい。

今回は,ホスラブの書き込みを削除する法的根拠や削除請求の方法などを記載する。
できる限り分かりやすく書けるよう努めるが,内容が内容なだけに,ちょっと長くなるし,小難しくなってしまう。

そんな長い文書読めるか,このチャラ男が!
と思っている方もいらっしゃるかもしれません。

勘弁してください。
僕,見た目はアレかもしれませんが,頑張って働いてます。

長い文書読むより先に,手っ取り早くホスラブの書き込みが削除できるか知りたい。
ホスラブの削除代行の料金がどのくらいかかるのか見積もりを出して欲しい。
ホスラブのスレッドごと削除できる可能性があるのか知りたい。

そんなあなたは,以下のお問い合わせフォームに,対象スレのURL,対象のレス番号を記載して送信してください。

または,お電話ください。

お問い合わせ

当法律事務所の弁護士が無料相談させていただきます。

前置きが長くなっちゃったけど,ここからが本題です。

ホスラブとは?

このHPは,「キャバクラ・ホスト・風俗業界の顧問弁護士」を唄うサイトだし,当法律事務所の相談者や顧問先も,水商売や風俗などのナイトビジネスの関係者が多い。

そんな皆さん,ご存知だよね?ホスラブ。

ホスラブとは,ホストラブという掲示板の略称だ。
http://www.hostlove.com

月間200万人利用!夜の掲示板サイト
■ホストラブは2001年スタートの夜業界の為の情報交換サイトです。
掲示板をメインとし、会員登録不要でのコミュニケーションが可能です。
■スタート当時はホストクラブに特化したサイトとしてスタートしました。
その後、ホストクラブに留まらず、派生して水商売全般、風俗業界全般、雑談等、業界に関わる方の興味のある話題全ての「業界全体の為のコミュニティーサイト」として成長しました。
■現在では関東、北海道、東北、東海、九州地方を中心に1ヶ月のユニーク数が200万人を超え、2014年度には新たに47都道府県全ての地域の業界板が設立されました。
※当サイトは性風俗店などの情報を含みますので、18歳未満のご利用はお断りしております

ホスラブの特徴

水商売,風俗などの夜の業界のお店やそれを取り巻くホスト,ホステス,キャバ嬢,風俗嬢や客についての話題を提供するのが特徴だ。

お店ごとのスレッドやホスト,ホステス,キャバ嬢,風俗嬢等の「個スレ」と呼ばれる個人のスレッドが立てられることもある。良くも悪くもある程度有名になったり,売れていたりしないと個スレは立たないので,個スレが立つのをちょっとしたステータスに思っている人もいたり,いなかったり。

関東版,関西版,東北版,東海版,北陸/信越版,中国地方版,四国版,九州版,沖縄版など地域ごとに掲示板があり,ホスラブ求人、ホスラブ小説、ホスラブニュース、ホスラブPROF、ホスラブCHATなんていうのもある。姉妹サイトには,夜ちゃんねる(Yoru Channel)もある。

当法律事務所の弁護士もホスラブニュースはチェックしている。

そんなホスラブだが,匿名で投稿できることや,水商売や風俗等の夜の業界の関係者が多いこともあって,悪口,誹謗中傷,個人情報の漏洩,リベンジポルノに関する書き込みがなされることがある

枕ホスト,枕キャバ嬢,本番風俗嬢,性病が蔓延しているなど悪口,誹謗中傷が書き込まれたり…
源氏名とリンクさせて,本名の氏名,住所,電話番号などの個人情報が書き込まれたり…
他の客とデートしていたなどプライベートの写真がUPされたり…
性行為の動画や画像が挙げられたり…

「ふざけんなよ,枕なんてしてねぇよ,風評被害だよ!!!」

そう,ホスラブの書き込みに困っている人は非常に多い!
このような書き込みにより,精神的な苦痛を受けることはもちろんのこと…

これにより店舗の売り上げが下がる
シャンパンタワーを入れてくれる予定だった客が切れる
家族・恋人や昼職の職場に夜の仕事をしていたことがバレる
流出した個人情報から嫌がらせ,ストーカーの被害に発展する

などの実害を被ることもある。

このような被害を避けるためにも早急にホスラブの書き込みを削除しちゃいましょう!
コストかけてでも徹底的にやりたいという方は,書き込んだ相手の特定にもチャレンジしましょう!

ホスラブの運営会社はどこだ?

ホスラブの運営会社については,ネット上に公表していない
ホスラブのサイト内を見ても「広告掲載について」というページに,「株式会社ネットエージェンシー」という会社が記載されているだけだ。

しかも,以下のとおり,同社は運営会社ではない。
「広告を管理しております弊社(株)ネットエージェンシーは 「ホストラブ」を運営する会社ではございません。削除依頼、IPの提出等の権限はございませんので広告に関するお問い合わせ以外は対応いたしかねます。」

ホスラブの運営会社は東京にあるとある会社だ。

以下でお伝えするように,運営会社が分からなくてもウェブ上で削除申請が可能だし,当法律事務所を含め,ホスラブに対して何度も削除請求や発信者情報開示請求をしている法律事務所であれば,運営会社を知っているので,ご安心して欲しい。

ちなみに,夜の業界の経営者の方と話をしていると,ホスラブって〜出身の〜が運営してるん
だよね〜みたいな話題が出ることがあったりとか…。

ホスラブに対する削除請求の根拠

弁護士経由での削除依頼,ご自身でのホスラブへの削除依頼,削除の仮処分申請等の方法がある
どの手段をとるにしても,削除請求をするためには根拠が必要だ。
根拠には,法的な根拠と,ホスラブの利用規約やガイドライン上の根拠がある。

それぞれについて,見ていこう!

ホスラブ削除の法的根拠

ホスラブに限らず,ネット上で誹謗中傷や個人情報を晒されるなどの被害にあい,削除請求,犯人を特定するための発信者情報開示請求を裁判上でするといった場合,法律上は,以下の二つの要件が必要となる。

もっとも,裁判手続きを経ない弁護士からの削除請求の場合には,以下の要件を満たしていなくても削除できる場合があるので,要件を満たしていない場合でも諦めないで欲しい。

2つの要件とは,同定可能性(特定性)権利侵害性だ。

《同定可能性(特定性)について》

同定可能性(特定性)とは投稿・書き込みの内容や動画・画像が自分についてなされているということが他人からもわかることだ。

この書き込みを削除してくれ,犯人を特定してくれってお願いするためには,その書き込みが自分について書かれていないとダメだよってこと。

そして,その書き込みは私のことを書いている!ということが自分以外の人から分かる必要がある。
自分以外の人って,自分のことを知らない第三者でも分かる必要があるってことか?
そうではない。
判例によれば,自分のことを知っている人が,誰について書かれているか分かる程度の特定でよいと考えられている。

そのため,源氏名しか書かれていない場合や,名前等の一部が伏せ字になっていても,同定可能性が認められる可能性がある。

《権利侵害性について》

権利侵害性とは投稿・書き込みの内容や動画・画像が削除等の請求者の権利を侵害していることだ。
何らかの権利が侵害されていなければ,裁判所を通して法的に削除や特定はできまない。

侵害される権利として,名誉権,プライバシー権,肖像権などが一般的だ。

名誉毀損(名誉権の侵害)となる例
・犯罪事実の指摘,「枕ホスト」「本番嬢」などは売春行為の指摘となる
・公開されていない本名等とリンクさせての風俗店で働いているという事実の指摘
・なりすましをしてその人の発言と思わせるような態様で他者の悪口等を発信する行為

プライバシー権侵害の例
・氏名,住所,電話番号等の公開されていない個人情報の公開
・裸の写真等のリベンジポルノ

ホスラブの削除依頼ガイドラインについて

上記では,誹謗中傷,風評被害,個人情報などが書き込まれた投稿の削除や特定のための法的に必要な2つの要件をみてきた。

この2つの要件は,ホスラブに限らずどのサイトでも削除等を請求するために必要な要素となる。
これに加えて,ホスラブでの削除依頼をするのであれば,ホスラブ自身が定めている削除依頼ガイドラインやに沿った形で削除請求すべきだ。

ホスラブの削除依頼ガイドラインには,以下の5つの事項についての記述がある。


http://news.hostlove.com/delete/index.cgi?a=kanto&file=guid2

1 個人名・住所・所属について
2 電話番号について
3 メールアドレス・ホスト情報について
4 誹謗中傷について
5 私生活情報について

1,2,3,5,がプライバシー権を侵害する書き込み
4,が名誉権を侵害する書き込み

と言えるだろう。

それぞれについて,削除基準が記載されている

例えば,プライバシー権の侵害にあたるような個人名,住所,所属(会社名など)についての書き込みであっても,すでに公表されているうような情報については削除しないと記載されている。すでに一般に公表されている情報であれば,当該書き込みによってプライバシー権が侵害されたとは言えないからだろう。

また,誹謗中傷による名誉毀損について,公益性があって直接の関係者や被害者による事実関係の記述は削除しないと記載されている。これは,社会的評価を低下させるような書き込みであっても違法性が阻却されうる書き込みだからだろう。

さらに,以下の目的がある場合には削除する旨が記載されている。
誹謗中傷の個人特定が目的
騙りの可能性や悪意が明らかで攻撃を目的
衆目に晒すことを目的

ホスラブの削除依頼をするときに重要な3つのポイント!

以上の削除依頼ガイドラインに照らして,ホスラブの削除依頼をする際のポイントをまとめよう

プライバシー権や名誉権の侵害があること

投稿内容に公益性がないこと

誹謗中傷目的,個人特定目的,衆目に晒す目的など,その書き込みの目的が悪意や攻撃目的で

あること

そう,ホスラブで削除申請をする際には,以上の3つのポイントを押さえて削除申請をすべきだ。

ホスラブの削除依頼の方法

ご自身でホスラブに削除依頼をする場合には,「ホスラブの削除依頼フォーム」から削除依頼をすることになる。
http://kanto.hostlove.com/agree/delete/form

削除依頼フォームはこんな感じ。

スレッド番号
レス番号
削除理由

の3項目が必須になる。
スレッド番号とは,削除したいスレッドのURLの,「/」と「/」の間の14桁の数字だ。

例)http://kanto.hostlove.com/host/20190228233443/1

上記例の赤字の部分だ。

レス番号は削除したい対象レスの番号,削除理由は前述した3つのポイントを盛り込んで書いて欲しい。

削除するかどうかは,削除人が判断する。
削除までの時間は96時間が目安となると記載されているが,実際にやってみると,それより早く削除されることもあれば,時間がかかることもある。1つの目安くらいに考えておいた方がいい。

また,削除依頼の内容は公開されてしまうので,その点は頭に入れておいてほしい。
削除依頼の内容に自分のプライバシー情報を書いてしまってさらに公開されてしまっては問題だからだ。

弁護士に依頼しての削除請求

ご自身で削除依頼をする以外に,弁護士に依頼をして削除をしてもらうという方法がある。
なお,弁護士以外の削除代行業者という業者もいるのだが,違法なので注意してほしい。

では,弁護士に削除依頼をするメリットは何か?

《削除確率が上がる!》
ホスラブの削除依頼について経験豊富な弁護士であれば,過去の削除依頼の経験からどのように削除依頼をすれば削除確率を上げられるかを知っていて,独自のノウハウをもっていることもあり,ご自身で削除依頼するよりも削除可能性を高められる。
ご自身や他の法律事務所で削除できなかったケースでも,当法律事務所で削除に成功した事例もある

《スレッドごと削除ができることも!?》
ご自身で行う削除申請でもスレッドの削除を申請することはできる。
ただ,実際問題,なかなかスレッドの削除がなされることは少ない。
経験豊富な弁護士であれば,対象となるレスのみだけでなく,スレッドごと削除できることもある。実際にスレッドごと削除できた事例もある。

《適切な手段を選ぶことができ,面倒な手続きを自分でしなくてよい》
削除申請,仮処分,特定のための発信者情報開示,被害届の提出など,誹謗中傷をされたり,個人情報を書き込まれた場合に取りうる手段はいくつかある。
弁護士であれば,書き込みの内容,それぞれの手段の難易度,成功確率,ご予算など,それぞれの事情に合わせて最適な手段を選ぶためのアドバイスができる。また,被害届提出後の示談交渉や犯人特定後の損害賠償請求等についても代理人として活動が可能だ。
弁護士に依頼をしてしまえば,それらの手続きをご自身でする必要はなく,弁護士に任せることができる。

《完全成功報酬で削除代行をしてくれる弁護士もいる》
当法律事務所では,ホスラブの削除に自信を持っているため,削除できなかった場合には,費用は一切かからない。
削除できた場合にはじめて報酬が発生する料金体系にしている。
他の法律事務所でも,削除依頼について着手金がかからず完全成功報酬制度を採用していいる事務所もある。

削除の仮処分

上記のように,ホスラブは,経験豊富な弁護士が削除請求をすれば,削除をしてくれることが多い。
それでも,どうしても消えな場合には,裁判所に削除しなさいという命令を出してもらうことができる。
それが,削除の仮処分の申立てという手続きだ。

この場合には,前述した,削除申請のための法的な要件が必要となる。
同定可能性と権利侵害性だ。

そのため,書き込みの内容から自身のことが書かれていると判断できない場合や,権利を侵害される書き込みではないと裁判所に判断されてしまうと削除の命令を出してもらえないので注意してほしい。

また,仮処分の決定をだしてもらうためには,供託所に10万円〜30万円程度の担保金を納める必要がある。なお,このお金は,あとで返してもらえることが多い。

最近,5ちゃんねるなどは,裁判所の命令を無視して削除しないなどの事例が出ているが,2019年現在では,ホスラブは裁判所の削除の命令に応じて削除をしてくれている

まとめ

ホスラブでの誹謗中傷や個人情報の書き込みなどでお困りの人はたくさんいると思う。
最初に,書き込んでる人より書き込まれている人の方が現実世界では人気者だ。と書いたが,人気者だって,悪口や個人情報を書かれたら,困るし,辛い。

ホスラブについては,現状,削除が成功している事例が多い。

ごちゃごちゃと長文書いたけど,ホスラブの書き込みで困っている人は,ネットの誹謗中傷やホスラブの削除について経験豊富で詳しい弁護士に相談したらいいと思うよ。

客引きの逮捕事例増加!迷惑防止条例・風営法・ぼったくり防止条例,そして,電波法!?

ひと昔前は,夜の歌舞伎町には客引き,スカウトマン,ホストがひしめき合っていた。

何年か前の歌舞伎町浄化作戦,条例等の改正により,その数は減ってきているように思える。

そして,ここ最近,客引きの逮捕・摘発事例が多発している。

オリンピックを前に,警察が力を入れてきているのだろう。

新宿歌舞伎町,渋谷,池袋,上野,赤坂,六本木など都内の繁華街のみならず,神奈川,千葉,埼玉等の近県でも客引きの逮捕が増えてきている。

と,思ったら今度は仙台でも客引きの逮捕のニュースが。

風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)や各都道府県の迷惑防止条例を使っての逮捕事例は今までもあったのだが…

最近では,いわゆる「ぼったくり防止条例」(正式名称:性風俗営業等に係る不当な勧誘、料金の取立て等及び性関連禁止営業への場所の提供の規制に関する条例)違反での逮捕事例や,電波法での逮捕事例まで出てきた。

さらに,客引き行為をした者のみならず,客引きを使った店の逮捕事例も出てきている。

なお,客引きについて,キャバクラやホストクラブ,ガールズバーの客引きのみならず,居酒屋やバーなどの客引きでも逮捕事例がある。

客引きとは?

客引きって何だ?

どんな行為が罰則の対象となるの?

これが,意外と複雑で,それぞれの法律や条例によって微妙に規制態様が異なる。ここでは,風営法上の客引きの定義や規制対象を中心にその概要をみていこう。

「客引き」とは相手方を特定して営業所の客とるように勧誘することをいう(風営法の解釈運用基準参照)。

店の客をとるよう勧誘するすることが必要なため,店の名前などを告げずに「お時間ありますか?」「かわいい子いますよ」「お触りできますよ」などと声をかけただけでは「客引き」にはあたらない

しかし,風営法では,「客引きをするため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。」も禁止されているから,店の名前を告げない声掛けであってえも,客引きのために立ちふさがったりしていたら逮捕されてしまう。

また,ホストがナンパのフリして客引きをしているケースがよくあったし,今でも客引きではなくナンパですという主張はよくみられる。

客引き目的であったかどうかは客観的に判断される。そのため,ナンパ目的だと言っていても,店のビラを持っていたり,その他の証拠からホストクラブでの勤務時間中であることが判明したりした場合,客引き目的であると判断されてしまう可能性がある。

風営法で禁止されている客引きと罰則

以上のように,風営法では,店の名前を告げての客引きと,客引き目的で公共の場所で立ちふさがったり,つきまとったりすることを禁止している。

そして,その罰則は,六月以下の懲役若しくは百万円以下の罰金,併科だ。

キャバクラやホストクラブなどの接待をする社交飲食店,ガールズバーやゲイバーなどの他居酒屋などの深酒営業店,ソープランドやデリヘル等の性風俗店などの適用される。

風営法は,ごちゃごちゃして非常に読みにくいのだが,条文がいろいろと引用されていて,それぞれの形態のお店に適用される構造になっている。

(禁止行為等)
第二十二条 風俗営業を営む者は、次に掲げる行為をしてはならない。
一 当該営業に関し客引きをすること。
二 当該営業に関し客引きをするため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。

第五十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第二十二条第一項第一号若しくは第二号(これらの規定を第三十一条の二十三及び第三十二条第三項において準用する場合を含む。)、第二十八条第十二項第一号若しくは第二号(これらの規定を第三十一条の三第二項の規定により適用する場合を含む。)又は第三十一条の十三第二項第一号若しくは第二号の規定に違反した者

迷惑防止条例で禁止されている客引きと罰則

迷惑防止条例の内容は各都道府県によって異なる。

東京都迷惑防止条例の場合は,ストリップやAV販売等の客引き,性風俗店の客引き,接待をする水商売(キャバクラ,ホストクラブなど)の客引きを禁止している。

また,接待をする飲食店でも,セクキャバ,いちゃキャバ,おっパブなどのように,エロい接待をする店,風俗や水商売,AVのスカウトについては,客引きやスカウト行為のみならず,店名を告げない呼びかけやビラ等を使っての誘引行為,客引きの対象となる客を公共の場所で待つ客待ち行為禁止されている。

加えて,これら以外の客引きでも,人の身体又は衣服をとらえ、所持品を取りあげ、進路に立ち ふさがり、身辺につきまとう等執ように客引きをすることを禁じている。

罰則は,50万円以下の罰金又は拘留若しくは科料だ。

常習の場合には,これに6ヶ月以下の懲役が加わる。

東京都迷惑防止条例 (不当な客引行為等の禁止)
第7条 何人も、公共の場所において、不特定の者に対し、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) わいせつな見せ物、物品若しくは行為又はこれらを仮装したものの観覧、販売又は提供 について、客引きをし、又は人に呼び掛け、若しくはビラその他の文書図画を配布し、若 しくは提示して客を誘引すること。
(2) 売春類似行為をするため、公衆の目に触れるような方法で、客引きをし、又は客待ちを すること。
(3) 異性による接待(風適法第2条第3項に規定する接待をいう。以下同じ。)をして酒類を 伴う飲食をさせる行為又はこれを仮装したものの提供について、客引きをし、又は人に呼 び掛け、若しくはビラその他の文書図画を配布し、若しくは提示して客を誘引すること(客 の誘引にあつては、当該誘引に係る異性による接待が性的好奇心をそそるために人の通常 衣服で隠されている下着又は身体に接触し、又は接触させる卑わいな接待である場合に限 る。)。
(4) 前3号に掲げるもののほか、人の身体又は衣服をとらえ、所持品を取りあげ、進路に立ち ふさがり、身辺につきまとう等執ように客引きをすること。
(5) 次のいずれかに該当する役務に従事するように勧誘すること。
イ 人の性的好奇心に応じて人に接する役務(性的好奇心をそそるために人の通常衣服で
隠されている下着又は身体に接触し、又は接触させる卑わいな役務を含む。以下同じ。) ロ 専ら異性に対する接待をして酒類を伴う飲食をさせる役務(イに該当するものを除く。)
(6) 性交若しくは性交類似行為又は自己若しくは他人の性器等(性器、肛〔こう〕門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは他人に自己の性器等を触らせる行為に係る人の 姿態であつて性欲を興奮させ、又は刺激するものをビデオカメラその他の機器を用いて撮 影するための被写体となるように勧誘すること。
(7) 前2号に掲げるもののほか、人の身体又は衣服をとらえ、所持品を取りあげ、進路に立ち ふさがり、身辺につきまとう等執ように役務に従事するように勧誘すること。

千葉県迷惑防止条例の場合は以下のようになる。

千葉県警のHPがまとまっていて分かりやすかったので引用する。

リンク:千葉県警察のHPのリンク

《禁止行為の対象》

客引き:通行人などの不特定の者の中から相手方を特定し、客とするため言語又は動作によって積極的に誘う行為

誘引:呼び込みやビラ配布など、相手方を特定せずに客となるよう広く誘いかける行為

客待ち:客引きや誘引をする目的で、公衆の目に触れるような場所で、うろついたり、とどまったりする行為

勧誘:スカウト行為をいい、通行人などの不特定の者の中から相手方を特定し、一定の労力やサービスに従事するよう誘い込む行為

《主な規制内容》

客引き行為の禁止(第7条第1項第1号・2号)
店とのつながりが明らかでない性風俗店や接待飲食店への客引きを禁止します。【罰則】

誘引行為の禁止(第7条第1項第1号、第3項)
性風俗店や接待飲食店への誘引を禁止します。【第1項第1号→罰則、第3項→中止命令】

深夜におけるマッサージ等の客引き行為の禁止(第7条第1項第3号)
深夜におけるマッサージ等を称した、異性に対する客引きや異性がサービスを行うことを示す客引きを禁止します。【罰則】

客待ち行為の禁止(第7条第4項)
性風俗店の客引き・誘引のための客待ちや、接待飲食店の客引きのための客待ちを禁止します。【義務規定】

スカウト行為の禁止(第7条の2第1項第1号・2号)
風俗嬢、ホステス、AV女優等へのスカウト行為を禁止します。【罰則】

執ような客引き・スカウト行為の禁止(第7条第1項第5号、第7条の2第1項第3号)
業種に関わらず、執ような客引き・スカウト行為を禁止します。【罰則】

(注意)対償を供与又はその約束をして、他人に客引き行為等をさせることも禁止します。

《罰則》

100万円以下の罰金
他人に客引き行為等をさせること

50万円以下の罰金,拘留,科料
客引き行為
スカウト行為
第1項第1号に該当する誘引行為
公安委員会の再発防止命令違反

30万円以下の罰金,拘留,科料
警察官の中止命令違反

ぼったくり防止条例で禁止されている客引きと罰則

歌舞伎町でめちゃっくちゃぼったくりが流行ったのが4,5年前だろうか?

初めのうちは警察も民事不介入と言ってなかなか摘発に乗り出さなかったものの,歌舞伎町でのぼったくが増えすぎて,社会問題化して,上層部から取り締まるようにお達しが。

そして,ぼったくり店を摘発するために使われたのが,いわゆる,ぼったくり防止条例だ。

ぼったくり防止条例とは不当な勧誘行為や不当な取立行為を禁止し,料金の適正な表示等を義務づけることによってぼったくりを防止する条例のことをいう。

正式名称は,「性風俗営業等に係る不当な勧誘、料金の取立て等及び性関連禁止営業への場所の提供の規制に関する条例」という長ったらしい名前だ。

このぼったくり防止条例は,不当な勧誘行為として,料金を誤解させるような勧誘や客引きを禁止していいる。

それだけではなく,前述した風営法上の客引きとも関連がある。

ぼったくり防止条例では,風営法違反となる客引きが連れてきた客を受け入れることを禁止しているのだ。

その罰則は,50万円以下の罰金となる。

(不当な客引行為等を用いた営業の禁止)
第二条の七 性風俗営業等を営む者は、当該性風俗営業等に係る行為の提供について迷惑防止条例第七条第一項第一号、第三号又は第四号の規定に違反する客引きをした者その他の者から紹介を受けて、当該客引きを受けた者を客として当該営業所(第二条第一項第二号に掲げる営業で受付所を設けて営むものに係る客引きを受けた者にあっては、受付所)内に立ち入らせてはならない。

(罰則)
第十一条 3 第二条の七の規定に違反した者は、五十万円以下の罰金に処する。

電波法で禁止されている客引きと罰則

電波法!?

なんじゃそら??

当法律事務所の弁護士もこの事例に最初に接したときには驚いた。

警察などの捜査機関は時として,予期せぬ法律を引っ張ってきて,逮捕する。

かつて,キャバクラでインカム使っていたことを理由に電波法違反で逮捕された事例があった。

→参照:https://www.sankei.com/affairs/news/170108/afr1701080003-n1.html

今度は,客引きにもこの法律を適用して逮捕する事例が出た。

複数の客引きが客を引き継ぐ「リレー方式」を摘発するために使用したようだ。

電波法とは電波の公平かつ能率的な利用を確保することによって、公共の福祉を増進することを目的とする法律だ。

無線局の開局には免許がいるのに,免許取ってないでしょ。ということで逮捕される。

罰則は,1年以下の懲役又は100万円 以下の罰金となる。

第4条(無線局の開設)
無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければなら ない。ただし、次の各号に掲げる無線局については、この限りでない。

第110条(罰則)
次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は100万円 以下の罰金に処する。
一 第4条の規定による免許又は第27条の18第1項の規定による登 録がないのに、無線局を開設した者

客引きを使ったキャバクラなどの店も逮捕されるのか!?

客引き行為をしたキャッチの人がよく逮捕されている。

客に扮した警察官に声をかけて客引きをして,現行犯で逮捕されるというのがよくある逮捕の流れだ。

では,客引きを使った店は逮捕・摘発されるのか!?

結論からいえば,店(経営者や店長)も逮捕される

フリーのキャッチだった。などの主張が店側からなされるとがあるが…。

まず,違法な客引きをしたキャッチと店側との共犯関係が認められれば,風営法や迷惑防止条例によっても店側を処罰することができる。

客引きと店との連絡履歴や金銭の授受などから共犯関係が立証されることになる。

次に,前述のぼったくり条例では,店側が客引きを受けた客を受け入れる行為を処罰対象としているため,来店した客が客引きを受けた客だと認識して店側が受け入れればこの条例によっても処罰される。

実際に,店側が逮捕されている事例も多数ある。

客引きと逮捕・勾留期間,量刑相場

客引きで逮捕された場合,どの程度の期間警察署に留置されるのか?

まずは,その逮捕・勾留期間についてみていきたい。

単純な客引きで,警察の目的が客引きのみを処罰対象,摘発対象にしている場合,初犯であれば,48時間〜72時間で釈放される可能性がある。

他方で,店側も狙われている場合や,店舗経営者等の店側が逮捕された場合などでは,逮捕段階では釈放されず,10日〜20日間勾留されてしまう可能性もある。

次に,その量刑相場だ。

単純な客引きで,迷惑防止条例違反の場合,初犯は罰金20万円〜30万円2回目が罰金50万円3回目以降は起訴されるケースが多いようだ。

上記以外の場合には,適用される罰条,対象となる行為態様などによってその量刑がかわってくる。

客引きの逮捕事例

《風営法違反でキャバクラの店側が逮捕された事例》

客引き容疑でキャバクラ店長ら2人逮捕、否認

キャバクラの従業員が客引きをしたとして、仙台中央署は26日、風営法違反の疑いで、仙台市青葉区国分町2丁目のキャバクラ店「〇〇」店長の〇〇容疑者(31)=同区落合4丁目=、従業員〇〇容疑者(27)=同区上杉6丁目=を逮捕した。
2人の逮捕容疑は青葉区の専門学校生(20)と共謀して19日午後11時10分ごろ、同区国分町2丁目の路上で、巡回中の私服警官に「キャバクラ案内しています」などと声を掛けた疑い。
同署によると、2人は容疑を否認し、ともに「専門学校生は従業員ではなく、フリーの客引きだった」と供述している。同署は20日夜、同法違反の疑いで同店を捜索。押収したパソコンなどから専門学校生が同店の従業員だと特定した。

https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201902/20190227_13035.html

 

《居酒屋かな?迷惑防止条例違反で従業員と店舗経営者を逮捕》

客引き防止条例違反疑い2人逮捕 郡山駅前で一斉取り締まり

郡山署は18日夜、郡山市のJR郡山駅前で客引き行為の一斉取り締まりを行い、市客引き防止条例違反の疑いで田村市、飲食店従業員(20)、郡山市、飲食店経営(32)の両容疑者を現行犯逮捕した。

逮捕容疑は、客引き行為が禁じられている同市大町や駅前の路上で、男性に声を掛け、風俗店に客引き行為をするなどした疑い。

http://www.minyu-net.com/news/news/FM20190219-352272.php

 

《神奈川県警の一斉摘発,風営法違反と迷惑防止条例違反》

違法客引き一斉摘発、計10人逮捕 神奈川県警

神奈川県警生活保安課と加賀町署などは10日、違法な客引きの一斉摘発を行い、風営法違反や県迷惑行為防止条例違反の疑いで、20~48歳の男女10人を逮捕した。2020年の東京五輪・パラリンピックなどを見据えた対策の一環

県警によると、中国籍のマッサージ店経営の女(48)=海老名市=の逮捕容疑は同日午後10時半ごろ、平塚市紅谷町の雑居ビル前で私服警察官をマッサージ店に入るよう勧誘した、などとしている。調べに対し、女は「ビルの敷地内から店を案内しただけ」と容疑を否認している。ほかの9人も路上などで私服警察官を客引きしたとして逮捕された。

https://www.kanaloco.jp/article/entry-37452.html

 

《埼玉県でも一斉取締り,大宮,西川口,南越谷,所沢など》

大宮で「キャバクラどうですか」…警官に声掛けた7人、容疑で逮捕 苦情多い大宮署などで一斉取り締まり

年末年始特別警戒取り締まりの一環で、県警保安課、生活安全総務課と大宮署などは5日、繁華街・歓楽街での不当な客引き行為に対する県下初の同日一斉取り締まりを実施。県迷惑行為防止条例違反の疑いで、男7人を現行犯逮捕し、6日発表した。

逮捕されたのは、さいたま市西区指扇、無職男(21)ら男7人。

逮捕容疑は、5日、同市大宮区大門町の路上などで、警戒中の捜査員に対し、「キャバクラどうですか」などと声を掛けた疑い。6人は容疑を認め、1人は一部否認しているという。

保安課によると、一斉取り締まりは年末年始に向けて繁華街・歓楽街の安全安心の確保することが目的。客引きの苦情が多く寄せられる大宮署など計10署管内で実施した。JR大宮駅東口の「南銀座通り」や西川口駅、南越谷駅、西武線所沢駅周辺などが対象となった。

風俗店への勧誘だけではなく、所沢では居酒屋に連れて行こうと、約100メートルにわたって執ように客引きをしたとして、県内の私立大学2年の男(20)も逮捕された。

http://www.saitama-np.co.jp/news/2018/12/07/05_.html

 

《電波法違反で居酒屋の客引きが逮捕された事例》

新宿の客引き「リレー方式」で誘導 無線使用容疑で逮捕

東京・新宿で居酒屋の客引きが無免許で無線機を使ったとして、警視庁は店長の男(26)=さいたま市南区=と従業員の男女計3人を電波法違反(無線局の開設)の疑いで逮捕し、7日発表した。客引きによるつきまといを取り締まる東京都迷惑防止条例に抵触しないように、数人で短距離ずつ客を「リレー方式」で誘導する手段として無線機を使っていたという。

警視庁は、客引きらによる同様の無線機の違法使用が新宿をはじめとした都内の繁華街で横行しているとみており、取り締まりを強化している。

保安課によると、逮捕容疑は5日午後9時すぎ、東京都新宿区新宿3丁目の居酒屋とその周辺で、店内と客引きとの連絡用に、総務相の免許が必要な無線機を無免許で使用したというもの。店長は「メールのやりとりより無線機のほうが早く、客引きに必要だった」と話し、容疑を認めているという。

同課は昨年12月、店が使用している無線機が免許が必要なものと確認し、店長らに注意していた。路上から建物内とやりとりできるような出力の無線機は通常、免許が必要という。

周辺では、ほかの店に行こうとする客に「あの店は満席だからうちの店に」などと声をかけて横取りするといった強引な客引きへの苦情も多数寄せられているという。

https://www.asahi.com/articles/ASM27347HM27UTIL003.html

 

組織犯罪処罰法と風営法について。無許可営業で水商売経営者逮捕された事例に照らして

福岡県での飲食店経営者の風営法違反,無許可営業での逮捕事例についてのニュースが出た。

今回は,このニュース事例を解説するとともに,組織犯罪処罰法と風営法についてもみていきたい。

風営法違反(無許可営業)と組織犯罪処罰法違反で逮捕されたニュース

無許可で風俗営業 780万円稼ぐ 容疑で男ら再逮捕 福岡県警

福岡県警は22日までに、風営法違反の疑いで佐賀県みやき町の会社経営の男(37)を再逮捕、同容疑で福岡県太宰府市の飲食店従業員の男(21)を逮捕し、組織犯罪処罰法違反の疑いで同県久留米市の飲食店経営の男(31)を再逮捕した。再逮捕、逮捕容疑は、会社経営の男は昨年6月1日から今年1月5日まで、久留米市の店で許可を受けず風俗営業をした疑い。同店の風俗営業の許可を受けている飲食店従業員は昨年7月11日ごろから今年1月5日まで、自らの名義で会社経営の男に同店で風俗営業をさせた疑い。飲食店経営者は昨年6月14日から同年12月4日まで、風俗営業許可のない飲食店など2店の収益計780万円を受け取った疑い。

https://www.nishinippon.co.jp/flash/f_kyushu/article/488887/

ニュース事例の概要と解説

上記ニュースしか情報がなく,ニュースの内容が分かりづらい部分があるので,整理してみよう。登場人物は3名だ。無許可で飲食店を営業した風営法違反で逮捕されていることからお店は風営法の1号許可が必要な接待も行う社交飲食店(キャバクラとかホストクラブとか)だろう。

佐賀県みやき町の会社経営の男(37)=A

福岡県太宰府市の飲食店従業員の男(21)=B

同県久留米市の飲食店経営の男(31)=C

 

3名の容疑をまとめてみた。

A=風営法違反で再逮捕=久留米市の店で許可を受けず風俗営業をした疑い(無許可営業

B=風営法違反で逮捕=自らの名義で会社経営の男に同店で風俗営業をさせた疑い(名義貸し

C=組織犯罪処罰法違反で再逮捕=久留米市の店で許可を受けず風俗営業をした疑い(無許可営業

 

AとCがオーナーないしは実質的経営者で,Bが店の従業員で風営法の許可の名義人だろう。

無許可営業となってしまったのは,許可名義と実質的な経営者にズレがあったからだ。

詳しくはこちらの記事を参照してほしい。

無許可営業,名義貸し,キャバクラ経営者ら逮捕!?

 

組織犯罪処罰法と風営法について

組織犯罪処罰法とは組織的な犯罪に対する刑罰の加重, マネー・ローンダリングの処罰、犯罪収益の没収・追徴などについて定めた法律だ。

正式名称は,組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律といい,共謀罪の新設について話題になった法律だ。

風営法と関係あるの?無許可営業と関係あるの?

と思うかもしれないが,関係あるのだ。

組織犯罪処罰法は,「犯罪収益」というものを定義しており,その犯罪収益には,風営法上の無許可営業による収益も含まれると記載されている。

《組織犯罪処罰法》
(定義)第二条
2 この法律において「犯罪収益」とは、次に掲げる財産をいう。
一 財産上の不正な利益を得る目的で犯した次に掲げる罪の犯罪行為(日本国外でした行為であって、当該行為が日本国内において行われたとしたならばこれらの罪に当たり、かつ、当該行為地の法令により罪に当たるものを含む。)により生じ、若しくは当該犯罪行為により得た財産又は当該犯罪行為の報酬として得た財産
ロ 別表第一(第三号を除く。)又は別表第二に掲げる罪

別表第二(第二条関係)
五 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号)第四十九条第一号(無許可営業)の罪

実際の例でも,風営法の無許可営業で逮捕された事例で,組織犯罪処罰法に基づいて,売上等の収益を没収されてしまった事例もある。

風営法の無許可営業を考える際には,この組織犯罪処罰法についても頭に入れておいてほしい。

風俗トラブルで示談金要求をした風俗店経営者が恐喝罪で逮捕!?

デリヘルなどの風俗店でよくある本番トラブル

風俗嬢が客から本番を強要されたなどのトラブルだ。

風俗店の経営者としては,女性キャストの安全を守り,より良い環境で働いてもらうために,本番強要をされた女性キャストを守らなければならない。本番強要の被害にあった場合に店が何も対応をしてくれなければ,女性キャストを守ってくれない店と評価されて女性キャストの求人確保等も難しくなってしまう。

また,女性キャストが本番をしているのを店が黙認して放置していた場合には,売春防止法違反で店側が逮捕・摘発されてしまうなどのリスクもある。

そのため,風俗店経営者としては,本番や盗撮などの風俗トラブルがあった場合には,女性キャストと一緒に警察に被害届を出しに行ったり,客に損害賠償請求をして示談をしたりしていく必要が出てくる。

参考

デリヘル等の風俗で本番をした客は逮捕されるか?本番強要と刑事事件について

 

ただ,その損害賠償請求等もやり方を間違えると恐喝罪等になってしまう

 

以前,愛知県名古屋市の高級デリヘル経営者が同じような本番トラブルで損害賠償請求をする際に,「仕事をできなくする」などと脅迫したとして,恐喝罪で逮捕された事例を紹介した。

デリヘル店経営者ら客への恐喝容疑で逮捕されるも不起訴

 

上記,名古屋の高級デリヘルの事例では,通常のデリヘルが高額な損害賠償請求をして,その際に脅迫をした疑いで逮捕されているようだ。

 

今回の事件は,また少し毛色が違うようだ。

まずはニュース記事を見てみよう。

買春持ちかけ示談金要求の疑い 風俗店経営者ら摘発

大阪・ミナミの風俗店で男性客に買春を持ちかけ示談金名目で現金を脅し取ったなどとして大阪府警南署は21日、恐喝容疑などで派遣型風俗店「〇〇」の経営者、〇〇被告(30)=大阪市城東区関目、恐喝罪などで起訴=や従業員ら男女10人を摘発したと明らかにした。同署には昨年3月から、同様の被害相談が約100件寄せられており、被害総額は約2千万円を超えるとみられる。

 同署によると、〇〇被告は20代の女性従業員らと共謀し昨年8月、同市中央区日本橋のホテル一室で、40代の男性客に女性従業員から買春を持ちかけ、応じた客から示談金や利用料金として現金計5万円を脅し取るなどしたという。

 〇〇被告は入室前に、店の客引きの男に男性客から前払い料金名目で現金を受け取らせ本来の料金との二重請求をしていた詐欺罪にも問われている。「未払い料金を請求しただけ」と否認しているという。

 同署によると、その場で支払えなかった男性客らは、運転免許証などのコピーを取られた上で返済期限と金額を明示した念書を書かされ、支払いを拒否すれば「会社に連絡する」などと脅されていた

https://www.sankei.com/west/news/190221/wst1902210053-n1.html

 

買春を持ちかけ,本番行為をさせ,「会社に連絡する」と脅して示談金名目で現金を脅し取った事案だ。

これだけをみれば,本番トラブルで示談金請求をした際に脅迫をしてしまった恐喝事例にも思える。しかし,それだけではなく,この大阪ミナミの風俗店は,客引きに現金を受け取らせて,その後に料金も請求しているようだ。

この事実があるのであれば,典型的なタケノコ剥ぎタイプのぼったくり風俗店ではないか?という疑問も生じる。このタイプのぼったくり店は,歌舞伎町で流行り,新橋,池袋とその流行が移転していて,被害相談も増えている。

そうだとすれば,警察への被害相談が多かったことから警察が捜査に乗り出した可能性が考えられる。

 

いずれにしろ,健全に風俗店を営む経営者の皆様は,本番や盗撮などの風俗トラブルで損害賠償請求をする際に,「仕事をできなくする」「会社に連絡する」などの脅し文句を言わないよう細心の注意を払っていただきたい。

 

退職代行・退店代行!風俗や水商売を辞めたいのに辞められない人へ

この頃,お昼の業界で退職代行なるものが流行っている。

辞めたいのに自分では辞められない。そんなことで退職代行業者を使っているようだ。

 

キャバクラ,ホストクラブ,スナック,クラブ,ガールズバー,ラウンジ等の水商売

デリヘル,箱ヘル,ソープ,ピンサロなどの風俗

これら夜の業界では,以前から,辞めたいのに辞められないなどの退店トラブルが数多くあり,当法律事務所の弁護士は,退店代行業務とでもいうような業務を数多く解決してきた。

 

今回は,そんな辞めたいのに辞められない,辞めさせてもらえないといった退職トラブル,退店トラブル,退職代行・退店代行について,昼の世界の一般論から,夜の世界独特の問題まで解説していきたい。

 

退職代行について

退職代行とは

退職代行とは,退職したいのに辞められない,辞めさせてもらえない,辞めたいと言えない,そんな人の代わりに退職の意思表示をする業務のことだ。

・上司からパワハラを受けていて辞めたいと言えない
・人が足りていない状況下で周りが頑張っているから辞めると言い出せない
・辞めたいと伝えても「もう少し頑張ってみろ」などと交わされて相手にしてもらえない

このように辞めたくても自分だけでは辞められない。
そんな方のために退職の意思表示を代行する業務が退職代行だ。

退職代行業者は違法?退職代行と非弁行為

弁護士でない退職代行は非弁活動で違法だ。違法な退職代行業務による退職は無効になってしまう。

などの意見が見られる。

まず,非弁行為とはなんだろうか?

弁護士法の72条が規定している。

《弁護士法 第72条》弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

弁護士でない人が法律事務を取り扱って報酬を得たらダメだよという規定だ。

退職代行は,素直に考えれば,労働契約を解除する意思表示を代理するものだ。

労働契約の解除の意思表示は法律行為だ。

そう考えると,報酬を得て退職代行をやったら非弁行為にあたると考えられる。

退職代行を弁護士に依頼するメリット

まず,弁護士に退職代行を依頼する場合,先ほどの非弁行為の問題は明確にクリアされ,退職代行による退職が非弁行為により無効になるリスクがなくなる。

また,退職するにあたっては,様々な法律問題が絡んでくることがある。

・給与の未払いがある
・残業代が支払われていなかった
・有給を取得したのちに退職したい
・会社から損害賠償請求をすると言われている

などの問題だ。

退職代行を弁護士に依頼する場合には,これらの退職に付随する法律問題についても同時に交渉をしていくことが可能だ。

それどころか,自分でも気がつかなかった未払残業代を請求し,予想外のお金を手にできる可能性もある。

水商売・風俗での退店トラブル・退店代行

今まで見てきたような退職代行について,

キャバクラ・ホストクラブ・スナック・クラブ・ラウンジ・ガールズバーなどの水商売
ここで働くホステス・ホスト・黒服・内勤

デリヘル等の風俗店
ここで働く女性キャストや男性従業員

上記のような夜のお店で働く人達から退職代行・退店代行の相談や依頼というのは,昼の会社で退職代行が取りざたされるよりも前からあった。

 

水商売・風俗でよくある退店トラブルの例

・スナックのホステスを辞めたいんだけどメールで伝えるだけでいいのか
・キャバクラを辞めたいんだが給与の未払いがある
・ホストを辞めたいが売掛金について店に借金があって辞められない
・ピンサロを辞めたいだが辞めるなら昼の職場や家族に風俗で働いていたことをバラすと脅されている
・ソープランドを辞めたいが辞めるなら罰金を払えと言われて辞められない
・デリヘルを辞めたのにプロフィール写真を消してくれない

当法律事務所にも,このような相談が数多く寄せられ,退店代行,給与の請求や罰金・損害賠償請求についての交渉のご依頼を受けることが多い。

当然のことながら,法律上は,水商売も風俗も辞めたければ辞めることができる!

水商売・風俗と労働者性

水商売や風俗独特の問題として,ホステスやホスト,女性キャストの勤務形態の問題がある。雇用契約をしている従業員であれば労働基準法等の労働関係法規が適用されることになる。

他方で,個人事業主,業務委託契約にモトヅック業務受託者ということになれば,適用されない。

この労働者性については,以下のリンクを参照してほしい。

残業代・解雇!風俗店・ホスト・キャバクラにおける労働者性

 

罰金や売掛金の未回収が理由で辞められない?

また,水商売や風俗では,様々な罰金や売掛の支払債務をホステスやホストに負わせるケースも目立つ。

・風紀違反(店の従業者同士で恋愛関係になった)の罰金
・客と連絡先を交換した罰金
・遅刻や欠勤の罰金
・客の売掛金を回収できなかった分の債務を負担しろ

などである。

このような罰金や債務の有効性は,前述した労働基準法などの労働関係法規の適用の有無や,店との契約内容など,事案によって代わってくるが,無効になり差し引かれていた給与を取り戻せるケースもある。

また,このような罰金等の金銭を理由に辞めさせないというのは違法だ

風営法は,水商売や風俗で働くホステス等に対して拘束的行為をすることを禁じている。

具体的には,お店が罰金や貸金を盾に働かせることを禁止している。水商売や風俗の店を辞めるのであれば貸した金や損害賠償債務を一括で払えなどの行為が禁止されている。

簡単にいえば,貸した金や罰金,損害賠償といった金を理由に辞めさせないのは違法なのだ。

まとめ

こういった水商売,風俗を辞めたいのに辞められないという場合には,一度,弁護士に相談してほしい。

辞めることができるのはもちろんのこと,未払給与や報酬を請求できるケースもあるからだ。

デリヘル経営者ら売春防止法違反で逮捕!

今回は,デリヘル経営者らが売春あっせんで逮捕されたニュースの紹介だ。

ニュース記事:「本番当たり前」売春あっせん 7人逮捕

東京・台東区で売春のあっせんをしたとして派遣型風俗店の経営者の男ら7人が逮捕された。

逮捕されたのは派遣型風俗店「◯◯」経営者・◯◯容疑者ら7人。警視庁によると◯◯容疑者らは、客から電話で依頼を受けて台東区のホテルに女性を派遣し、売春をあっせんした疑いが持たれている。

店には21歳から69歳の女性が在籍し、およそ6年間で6億円以上を売り上げたという。

◯◯容疑者ら2人は容疑を否認し、ほかの5人は容疑を認めているという。

◯◯容疑者は、従業員の女性に「本番をやるのが当たり前」などと伝えていたとみられるが、調べに対しては、「売春をあっせんした覚えはありません」などと供述しているという。

http://news.livedoor.com/article/detail/15953859/

売春防止法の規定

売春防止法は,売春,売春の相手方となること(買春)を禁止している。

「売春」とは,対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交することをいう。

もっとも,単なる売春や買春については罰則規定がない。

罰則規定が定められているのは以下のような行為だ。

・公衆の目に触れるような場所での売春の勧誘行為

・周旋(しゅうせん,あっせん行為とほとんど同じ意味です。)

・困惑や暴行・脅迫により売春させる行為

・売春をさせる目的での前貸し等の利益供与

・売春をさせる内容の契約をする行為

・売春を行う場所の提供

・管理売春(管理する場所に居住させて売春させることを仕事とする行為)

・売春場所の提供や管理売春を仕事とする人に金や土地・建物を提供する行為

今回のデリヘル経営者が逮捕された理由!?

今回のデリヘル経営者らの逮捕について,ニュース記事では,売春のあっせんと記載がある。

売春防止法では,以下のように,売春の周旋(あっせん)行為について罰則を定めている。

売春防止法第六条(周旋等)
売春の周旋をした者は、二年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。

デリヘルを含む風俗店では,本番行為が禁止されており,風俗での本番行為は,対償を受け不特定の相手方と性交するものであるから売春にあたる

風俗店の経営者が本番行為をさせたり,女性キャストが本番をしているのを黙認したりしているような場合には,本番をあっせんした,売春を周旋したとして,売春防止法違反(売春あっせん)の罪に該当してしまう。

本件では,デリヘルの経営者らが「本番をやるのが当たり前」などと伝えていたとのことなので,本番をさせていた,売春をさせていたとされたのだろう。

本件のデリヘルの経営者は否認をしているようだ。

風俗での売春防止法違反事件の場合,警察は内定に入って証拠固めをしてから逮捕状をとって逮捕していると予想されるため,すでに客観的な証拠はある程度掴んでいると思われる。

この後の展開が気になるところだ。

ホストクラブの売掛金の請求を拒否できた事案の解決事例

当法律事務所では,ホストクラブの顧問弁護士として売掛金の回収業務を行うことがある。

他方で,キャバクラや風俗店などの女性キャストがホストにハマってしまった場合などで,女性側から依頼を受けて,ホストクラブの売掛金の分割交渉を行うこともある。

今回は,当法律事務所の弁護士が女性側の代理人として交渉し,ホストの売掛金を拒否できた事例を紹介しよう。

ホストの売掛金トラブルの内容

今回、当法律事務所に相談へ来られたのは、埼玉県のキャバクラに勤務する女性だ。

新宿歌舞伎町のホストクラブにおいてホストから、後輩に負けたくないからとシャンパンを入れてほしいと何度も強く言われた。

相談者は、お金の持ち合わせがなくシャンパンを入れてしまうと売り掛けになってしまうからと拒否していた。しかし、そのホストは自分が後で払うからなどと言うので、それならいいかとシャンパンを入れたところ、売掛金として90万円を負うことになった。

後日、そのホストから売掛金の支払いの催促が来るようになる。相談者がホストに、あなたが後で払うって言ったでしょと指摘するも、そんなことは言っていないと主張される。そして、相談者の自宅にまで押しかけてきて警察までやってくる騒動になるも、その場は警察からホストへの厳重注意のみ。

90万円もの大きな借金を騙されて背負わされた上に、自宅にまで押しかけてくる相手のホストの行動も怖かったので、当法律事務所へと相談にきたのだ。

弁護士による警察対応・ホストとの売掛金についての交渉

まず、弁護士が警察へと連絡をして、ホストが相談者の自宅へと押しかけてきた件についての聞き取りを行った。そして、押しかけてきた件についての警察の把握している事情を確認し、次回同じようなことがあったらホストを逮捕してもらえることを確認した

次に、弁護士からホストへ連絡を入れた。弁護士が代理人としてついたから依頼者本人への直接の連絡をしないようにと言うとともに、次また相談者の自宅へと押しかけたら警察に被害届を出すとの警告を行った。このことで、相談者本人へのホストからの接触を防ぐ

そして、ホストへの90万円の売掛金につき、相談者はホストに騙されて背負わされたものであって、一切の支払義務はないものと伝えた。ホストは納得しなかったので、言いたいことがあるならば、書面にまとめて弁護士の方へと送るようにと伝える。

その後、相談者自宅への押しかけや電話連絡はすぐになくなり、弁護士の警告が効果を発揮する。

90万円の売掛金の請求についても、相談者と今後の方針について考えられる様々な展開についてどのように対応するかを相談しつつ、請求のすべてを拒否し続けることに。すると、売掛金の請求もなくなった。

結果として、ホストから相談者本人への接触をなくし、90万円の売掛金の請求もすべて免れることができたことで、解決となった。