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オンラインキャバクラと風営法(風営適正化法)

弁護士 若林翔 2020/05/20更新

最近,新型コロナの影響で,オンラインキャバクラオンラインホストクラブなるサービスが出現してきた。

zoomを使った「ズムキャバ」「スマキャバ」「ズムホス」などだ。

オンラインキャバクラやオンラインホストクラブは,違法か?適法か?

具体的にいえば,風営法の規制を受けるのか!?

前例もないし,警察庁等からの通達もないので,当法律事務所の弁護士の解釈となってしまうが,解説する。

オンラインキャバクラと社交飲食店・接待飲食店営業(1号営業)

まず,オンラインキャバクラが風営法上の社交飲食店・接待飲食店営業(1号営業)に該当するのであれば,風俗営業の許可を受ける必要が出てくる。

社交飲食店・接待飲食店営業(1号営業)とは,設備を設けて客を接待して飲食をさせる営業だ。

オンラインキャバクラやオンラインホストクラブの場合には,「設備を設けて」とはいえず,社交飲食店・接待飲食店営業(1号営業)には該当しないものと考える。

よって,オンラインキャバクラ等は1号営業に該当しない。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)

(用語の意義)
第二条 この法律において「風俗営業」とは、次の各号のいずれかに該当する営業をいう。
一 キヤバレー、待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業

なお,「接待」とは,「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」をいう。

詳細については,以下の記事を参照して欲しい。

風営法の「接待」とは?接待の定義と弁護士の経験から導いた警察が重視する4つの判断基準

 

オンラインキャバクラと無店舗型電話異性紹介営業

次に,オンラインキャバクラ等が無店舗型電話異性紹介営業に該当するのであれば,その届出が必要になる。

「無店舗型電話異性紹介営業」とは,専ら,面識のない異性との一時の性的好奇心を満たすための交際を希望する者に対し,会話の機会を提供することにより異性を紹介する営業で,その一方の者からの電話による会話の申込みを電気通信設備を用いて他の一方の者に取り次ぐことによつて営むものをいう。

ツーショットダイヤルなどの無店舗型のテレクラが典型だ。

https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/smph/tetsuzuki/fuzoku/gyoshu_ichiran.html

 

これは,男女どちらかが店の従業者である場合も含まれる。

風営法解釈運用基準

「その一方の者が当該営業に従事する者である場合」、すなわち客の会話の相手方として異性の客を装った者を使用している場合が当該営業に含まれることも 店舗型電話異性紹介営業と同様である。」

https://www.npa.go.jp/laws/notification/seian/hoan/hoan20191202-2.pdf

もっとも,「専ら」(7〜8割),一時の性的好奇心を満たすための交際を希望するものにその機会を与える営業が想定されているところ,オンラインキャバクラは,主にその場での会話の提供を想定していると考えられるため,これには該当しないと考える。

 

風営法2条10項

10 この法律において「無店舗型電話異性紹介営業」とは、専ら、面識のない異性との一時の性的好奇心を満たすための交際を希望する者に対し、会話の機会を提供することにより異性を紹介する営業で、その一方の者からの電話による会話の申込みを電気通信設備を用いて他の一方の者に取り次ぐことによつて営むもの(その一方の者が当該営業に従事する者である場合におけるものを含むものとし、前項に該当するものを除く。)をいう。

風営法解釈運用基準

2 「専ら」の意義
「専ら」の意義については、法第2条第6項第3号等の「専ら」と同義(第5中3(2)を参照すること。)であるが、「専ら」に該当するかどうかは、当該営 業を営む者の意図及び当該営業の実態を踏まえて判断することとなる。
具体的には、その営業形態や広告・宣伝の方法等の客観的な要素を勘案することにより判 断する。

「専ら」とは、他の営業でも同様であるが、おおむね7割ないし8割程度以上をいう。

3 「一時の性的好奇心を満たすための交際」の該当性の判断
「一時の性的好奇心」とは、令第5条の「一時の性的好奇心」と同様(第5中6(4)を参照すること。)であり、ここにいう「一時の」とは、期間の長短という量的なものではなく、当該営業を通じた交際の相手方がその都度偶然に選ばれ る面識のない異性であるという質的な視点で捉えるものである。

令第5条中「一時の性的好奇心」とは、典型的には「あるときふと催した性的感情」という意味で、結婚あるいはこれに準ずる安定した関係を異性と築きたいとの真摯な動機に基づく性的感情を除く趣旨である。
すなわち、ここにいう「一時の」とは、期間の長短という量的なものではなく、当該営業を通じた 交際の相手方が偶然居合わせた面識のない異性であるという質的な視点で捉えるものであるため、例えば、この種の交際が結果として長期化する場合があったとしても、「一時の性的好奇心を満たすための交際」と判断されることとなる。

なお、「交際」には、会話を含むものと規定されているが、これは「交際」に会話が含まれることを確認的に規定したものであり、例えば従業者による性的な会話の機会のみを提供する場合についても「交際」に該当する。

4 「会話」の該当性の判断
「会話」とは、音声による会話のみがこれに該当するという趣旨であることから、リアルタイムに交わされるものではない伝言のやり取り、例えば録音機能を有する機械を使用する形態のもの等が含まれる一方、インターネット上で行われるチャットのような文字メッセージのやり取りによるものは含まれない。

5 「電気通信設備」の意義
「電気通信設備」については、法第2条第8項の「電気通信設備」と同様(第7中5を参照すること。)であり、具体的には、営業において必要となる電話交換機等がこれに該当する。

オンラインキャバクラと映像送信型性風俗特殊営業

「映像送信型性風俗特殊営業」とは,専ら,性的好奇心をそそるため性的な行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる営業で,電気通信設備を用いてその客に当該映像を伝達すること(放送又は有線放送に該当するものを除く。)により営むものをいう。

通常のオンラインキャバクラ等では,性的な行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せることは想定されていないだろうから,これにも該当しないだろう。

オンラインセクキャバだったら該当しそうだ。

風営法2条8項

8 この法律において「映像送信型性風俗特殊営業」とは、専ら、性的好奇心をそそるため性的な行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる営業で、電気通信設備を用いてその客に当該映像を伝達すること(放送又は有線放送に該当するものを除く。)により営むものをいう。

オンラインキャバクラと風営法まとめ

以上のように,オンラインキャバクラは現状の風営法では想定されておらず,既存の営業業種のいずれにも該当しない。

「設備を設けて」いないので,社交飲食店・接待飲食店営業(1号営業)には該当しない。

「専ら」(7〜8割),一時の性的好奇心を満たすための交際を希望するものにその機会を与える営業ではないので,無店舗型電話異性紹介営業にも該当しない。

性的な行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる営業ではないので,映像送信型性風俗特殊営業にも該当しない。

 

なお,客と他の異性の客との間における対価を伴う交際を仲介する営業でもないので,東京都デートクラブ条例が定めるデートクラブ営業にも該当しない。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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