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風営法の「接待」とは?接待の定義と弁護士の経験から導いた警察が重視する4つの判断基準

19/04/14更新

今日は,風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)における接待のお話。

当法律事務所の弁護士には,ガールズバーやスナック経営者から,接待って何?と質問が寄せられる。ホステスが隣に座らなければ接待じゃないんでしょ?と。

違うんだ。

カウンター越しの接客でも風営法で言うところの「接待」にあたってしまう場合があるんだ…

ということで,今日は,「接待」に該当した場合の問題点,接待の定義,接待の解釈基準などについてまとめてみようと思う。

接待に該当する場合の問題点

風営法では,客を接待する飲食店は,公安委員会の許可を取らなければならないと定めている。

キャバクラホストクラブがその典型だ。

他方で,多くのガールズバーゲイバーサパーなどのお店はこの許可を取らずに営業をしている。具体的には,風営法上は,深夜における酒類提供飲食店営業(いわゆる「深酒営業」)の届出をして営業をしているのだ。

これらのお店がお客さんを「接待」してしまうと,本来許可が必要な「接待飲食等営業」であると判断されてしまい,無許可営業であると判断されてしまうのだ。

風営法での無許可営業は非常に重い罪だ。

二年以下の懲役二百万円以下の罰金刑が定められている。店舗の経営者や店長などが逮捕され,重い刑罰を受けることになってしまうのだ。

しかも,それだけではない。

行政処分として,店舗の営業停止処分などの重い処分がなされるおそれもある。

さらに,組織犯罪処罰法違反であるとして,売上金を犯罪収益として没収されてしまうことすらある。

これらの無許可営業についての詳細は,以下の記事を参照してほしい。

無許可営業,名義貸し,キャバクラ経営者ら逮捕!?

組織犯罪処罰法と風営法について。無許可営業で水商売経営者逮捕された事例に照らして

 

以上のように,ガールズバーなどのお店が深酒営業の届出で営業をしており,「接待飲食等営業」の許可をとっていない場合,「接待」をしたと判断されると大きなリスクがある。

だったら,許可取ったらいいじゃん???

と,思うかもしれない。

しかし,そうはいかない事情もあったりする。

それは深夜営業の問題だ。

キャバクラやホストクラブなど,「接待飲食等営業」の許可をとっている店舗は,深夜営業が禁止されている。

風営法上は,午前0時から午前六時までの時間を深夜営業と定義しており,これを禁止している。ただ,条例で定める一定の地域においては,一定の時間まで延長はできるとされている。歌舞伎町とか1時まで営業してるのもそれだね。

ということで,深夜営業をしているガールズバーなどの店舗は,許可を取ると深夜営業ができなくなってしまう。だから,許可を取らずに深酒営業の届出で営業をしているのだ。

そうすると,今度は接待をしてはいけなくなる。

じゃあ,「接待」って何よ???

風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)

(用語の意義)
第二条 この法律において「風俗営業」とは、次の各号のいずれかに該当する営業をいう。
一 キヤバレー、待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業

3 この法律において「接待」とは歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすことをいう。
4 この法律において「接待飲食等営業」とは、第一項第一号から第三号までのいずれかに該当する営業をいう。

(営業の許可)
第三条 風俗営業を営もうとする者は、風俗営業の種別(前条第一項各号に規定する風俗営業の種別をいう。以下同じ。)に応じて、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)の許可を受けなければならない。

(営業時間の制限等)
第十三条 風俗営業者は、深夜(午前零時から午前六時までの時間をいう。以下同じ。)においては、その営業を営んではならない。ただし、都道府県の条例に特別の定めがある場合は、次の各号に掲げる日の区分に応じそれぞれ当該各号に定める地域内に限り、午前零時以後において当該条例で定める時までその営業を営むことができる。
一 都道府県が習俗的行事その他の特別な事情のある日として当該条例で定める日 当該事情のある地域として当該条例で定める地域
二 前号に掲げる日以外の日 午前零時以後において風俗営業を営むことが許容される特別な事情のある地域として政令で定める基準に従い当該条例で定める地域

(深夜における酒類提供飲食店営業の届出等)
第三十三条 酒類提供飲食店営業を深夜において営もうとする者は、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する公安委員会に、次の事項を記載した届出書を提出しなければならない。

(罰則)
第四十九条  次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一  第三条第一項の規定に違反して同項の許可を受けないで風俗営業を営んだ者

接待の定義

風営法では,「接待」について,以下のように定義している。

「接待」とは歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすことをいう。

 

分かりやすいね。うん,読めばわかるよね。

って,分かるかーーー!!!

 

私は弁護士です。

しかも,風営法に詳しい弁護士を自称しています。

でも,読んでもよく分かりません。

裁判官だって,検察官だって,警察官だって,これ読んだだけでは具体的な意味は分かりません。

こういう,よく分からん抽象的な文言,法律ではよく使われている。

抽象的な文言は,その法律や条文が作られた理由だとか社会の風潮だとかに照らして解釈されるのだ。

風営法の解釈運用基準による接待の解釈基準

風営法での「接待」とは,歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすことだ。

ただ,前述のごとく,これではよく分からない。現場の警察官たちだってよく分からなくて混乱してしまう。

そこで,警察庁が具体的な解釈方法や運用方法について,全国の警察に通達を出しているのだ。

具体的には,警察庁生活安全局長による「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準について」の通達だ。

この風営法の解釈運用基準には,「接待」についても具体例を踏まえて詳しく解説されている。

今回は,平成30年1月31日付の通達を見てみよう!

 

第4 接待について (法第2条第3項関係)
1  接待の定義
接待とは、「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」をいう。
この意味は、営業者、従業者等との会話やサービス等慰安や歓楽を期待して来店する客に対して、その気持ちに応えるため営業者側の積極的な行為として相手を特定して3の各号に掲げるような興趣を添える会話やサービス等を行うことを いう。言い換えれば、特定の客又は客のグループに対して単なる飲食行為に通常伴う役務の提供を超える程度の会話やサービス行為等を行うことである。

2 接待の主体
通常の場合、接待を行うのは、営業者やその雇用している者が多いが、それに 限らず、料理店で芸者が接待する場合、旅館・ホテル等でバンケットクラブのホ ステスが接待する場合、営業者との明示又は黙示の契約・了解の下に客を装った者が接待する場合等を含み、女給、仲居、接待婦等その名称のいかんを問うもの ではない。
また、接待は、通常は異性によることが多いが、それに限られるものではない

3 接待の判断基準
(1) 談笑・お酌等特定少数の客の近くにはべり、継続して、談笑の相手となったり、酒等の飲食物を提供したりする行為は接待に当たる。

これに対して、お酌をしたり水割りを作るが速やかにその場を立ち去る行為、客の後方で待機し、又はカウンター内で単に客の注文に応じて酒類等を提供す るだけの行為及びこれらに付随して社交儀礼上の挨拶を交わしたり、若干の世間話をしたりする程度の行為は、接待に当たらない。

(2) ショー等 特定少数の客に対して、専らその客の用に供している客室又は客室内の区画された場所において、ショー、歌舞音曲等を見せ、又は聴かせる行為は接待に 当たる。
これに対して、ホテルのディナーショーのように不特定多数の客に対し、同 時に、ショー、歌舞音曲等を見せ、又は聴かせる行為は、接待には当たらない。

(3) 歌唱等 特定少数の客の近くにはべり、その客に対し歌うことを勧奨し、若しくはその客の歌に手拍子をとり、拍手をし、若しくは褒めはやす行為又は客と一緒に 歌う行為は、接待に当たる。
これに対して、客の近くに位置せず、不特定の客に対し歌うことを勧奨し、 又は不特定の客の歌に対し拍手をし、若しくは褒めはやす行為、不特定の客か らカラオケの準備の依頼を受ける行為又は歌の伴奏のため楽器を演奏する行為 等は、接待には当たらない。

(4) ダンス 特定の客の相手となって、その身体に接触しながら、当該客にダンスをさせる行為は接待に当たる。また、客の身体に接触しない場合であっても、特定少 数の客の近くに位置し、継続して、その客と一緒に踊る行為は、接待に当たる。 ただし、ダンスを教授する十分な能力を有する者が、ダンスの技能及び知識を 修得させることを目的として客にダンスを教授する行為は、接待には当たらない。

(5) 遊戯等
特定少数の客と共に、遊戯、ゲーム、競技等を行う行為は、接待に当たる。これに対して、客一人で又は客同士で、遊戯、ゲーム、競技等を行わせる行為 は、直ちに接待に当たるとはいえない。

(6) その他 客と身体を密着させたり、手を握る等客の身体に接触する行為は、接待に当たる。ただし、社交儀礼上の握手、酔客の介抱のために必要な限度での接触等 は、接待に当たらない。
また、客の口許まで飲食物を差出し、客に飲食させる行為も接待に当たる。
これに対して、単に飲食物を運搬し、又は食器を片付ける行為、客の荷物、 コート等を預かる行為等は、接待に当たらない。

リンク:警察庁「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準について」

弁護士の経験から導いた警察が考える「接待」判断基準・解釈基準!

風営法の解釈運用基準を読んで,ご納得いただけただろうか?

ここには,カウンター越しならいいけど,隣に座ったら「接待」だよ。なんて書いていないのだ。

ガールズバーで考えてみよう。

解釈運用基準の中でも問題になるのは,3⑴に記載されている「談笑」だろう。

お店の女の子との「会話やサービス等慰安や歓楽を期待して来店する客に対して、その気持ちに応えるため」,女の子が「積極的な行為」として,「特定の」お客さんに「継続して談笑」したら「接待」だと。

会話を楽しみに来た客じゃなくて,単に酒飲みにきた客に対する会話なら「接待」ではないと。

仮に,会話を楽しみに来た客だとしても,継続して談笑をせず,酒を出す際に通常伴う世間話や挨拶をするに留まれば,「接待」ではないと。

 

なんか難しいよね。。。

 

風営法の目的っていうのは,簡単に言っちゃえば,歌舞伎町のような歓楽街,飲屋街の健全化だ

キャバクラとかホストクラブとか,疑似恋愛が絡んだり,エロい雰囲気が出たりするような店は許可を必須として,深夜の営業を禁止することによって街の健全化を図ろうとしているんだと思う。

そんでもって,警察,検察,捜査当局から見ると,ガールズバーとかアフターバーっていうのは,キャバクラやホストクラブの深夜営業が禁止されている抜け道に見えちゃってるんじゃないかと。

キャバじゃないよ,飲み屋だよ。

キャバじゃないよ,普通のバーだよ。

って言えるくらい,キャバクラやホストクラブよりも,普通の居酒屋とかバーに近い営業をしているどうかっていうのが1つの基準になっていると思う。

実際に,弊所弁護士は,数多くの「接待」が問題になる無許可営業の刑事事件を担当してきた。

その中で,捜査機関が重視しているであろう考慮要素を挙げていこう。

 

1 ボックス席・ソファー席の存否

カウンターだけでなく,ボックス席やソファー席あったら隣に座って接待しているのかなって思われる。

 

2 指名制度,同伴・アフター制度,ドリンクバック制度の有無

キャバクラやホストクラブと同じような制度があれば,そっちに近いでしょと思われる。

酒ではなくって従業員のホステスやホスト目当てに客も来ているんでしょって思われる。

 

3 カラオケやダーツなどの遊戯設備の有無

客が従業員と一緒に歌ってるんでしょ,一緒にダーツしているんでしょと思われる。

 

4 席数に対する出勤人数

10席しかないガールズバーで,女の子が10人出勤してたら,マンツーマンで接待してるでしょと思われる。

10人満席になったとして,その10人に酒を提供するのに必要な人数ってせいぜい2,3人でしょ。それ以上いるってことは接待要員じゃないのと。

 

以上が,弁護士としての経験から導かれた具体的な接待の判断基準だ。

実際に,警察からも同様の指摘を受けたことがある。

「接待」と判断されて,無許可営業になってしまうと,非常に重い罪があり,営業停止などの行政処分もされて,売上まで没収されてしまうリスクがある。

 

以上の基準を参考に,気をつけて営業していただきたい。

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