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無許可営業,名義貸し,キャバクラ経営者ら逮捕!?

17/06/01更新

キャバクラやホストクラブなどの社交飲食店営業では,無許可営業や名義貸しにより風営法違反で逮捕・摘発されてしまうことがある。

今回は,風営法の無許可営業,名義貸しについて,実際に逮捕・摘発されたニュースの事例を見ながら解決していく。

無許可営業・名義貸しで逮捕されたニュース

藤枝、焼津、島田、浜北の各署と静岡県警生活保安課、組織犯罪対策課は17日までに、風営法違反の疑いで焼津市小川、会社役員の男(33)ら6人を逮捕した。県警によると、容疑者は県中部で複数の社交飲食店を経営する会社(藤枝市小石川町)の社長
ほかに逮捕したのは会社員の男(31)=藤枝市駅前=、無職の男(26)=富士市天間=、会社員の男(33)=焼津市大村新田=、土木作業員の男(31)=相模原市緑区青山=、会社役員の男(30)=藤枝市水守=の各容疑者。
会社役員の男(33)=焼津市小川=と会社員の男(31)=藤枝市駅前=の両容疑者の逮捕容疑は2015年9月ごろから16年6月ごろまでの間、藤枝、焼津、島田の各市にある社交飲食店4店を風俗営業の許可を受けないで営業した疑い。ほかの4人は、実際には同社が各店を営んでいるのに、自分の名前で経営させる名義貸しを行った疑い。4人は当時、各店で従業員として働いていたという。
藤枝署などは16日、同社や各店を一斉に捜索し、関係資料を押収した。県警によると、摘発した4店舗による不正な売り上げは、判明した分だけで計1億円以上という。同署などは組織的な無許可営業、名義貸し事件として捜査を進めている。
県警によると、社交飲食店の実際の経営者が客引きなど違法行為の責任追及を逃れるケースが県内で後を絶たず、従業員や店の許可名義人を摘発しても、名義人や店の屋号を変えて営業を再開するケースが散見された。今回は約半年かけた捜査で、会社役員の男(33)ら「実際の経営者」の関与を裏付けたという。

http://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/360361.html

社交飲食店ってあるから,ホストクラブかキャバクラ,静岡の藤枝とか焼津にホストクラブ無かったきがするから,たぶんキャバクラだ。
ラウンジとかかもしれないな。

ということで,今回は,キャバクラ,ホストクラブ,ラウンジなどの風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下,「風営法」という。)2条1号営業の無許可営業と名義貸しのお話。

このニュースは,キャバクラを経営する会社が,その従業員に風営法の許可を取らせてキャバクラを営業していたという事案だろう。実質的にキャバクラを経営していた会社の社長が無許可営業で逮捕され,名義を張っていた従業員らが名義貸しで逮捕された。

 

ここからはニュース記事を読んだ弁護士の推測となるが,おそらく…

この店は,客引きをしていて,静岡県警は客引きを風営法違反や条例違反で逮捕しており,さらに店の名義人だった従業員を逮捕し,店に対して営業停止等の行政処分をしていた。

店の経営者としては,客引きで従業員が捕まり,店の名義人が捕まったとしても,自分のところまでは捜査の手が及ばなように。営業停止等の行政処分がくだされても,別名義ですぐに店を再開できるように。と考えて,それぞれの店の名義を散らしていたのではないか。

静岡県警は,店の名義人を逮捕し,営業停止等の行政処分をしていたのだろうが,実質的経営者が他の名義人を用意して同じ箱で店を再開するような状況だった。

これでは客引き等の違法行為を大本から処罰したいという静岡県警の思いは果たされない。

そこで,静岡県警は本腰を入れて,半年間にわたる内偵捜査を実施し,店の実質的経営者を突き止め一斉捜査一斉逮捕摘発をした。

そんな背景があるんではなかろうか?

無許可営業・名義貸しとは?

風営法では,キャバクラ,ホストクラブ,スナック,ラウンジなど,客を接待する飲食店営業(風俗営業)を営む者は,公安委員会の許可を受けなければならない。また,許可を受けた者はその名義を他人に貸して風俗営業を営ませてはいけない。

無許可営業とは公安委員会の許可を受けずに風俗営業を営むことだ。

名義貸しとは風俗営業についての公安委員会の許可を受けた者が,他人にその名義を使用させて風俗営業を営ませることだ。

この無許可営業と名義貸しには罰則がある,

二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金又はこの併科だ。

風営法違反の罰則の中では最も重い。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

(営業の許可)
第三条  風俗営業を営もうとする者は、風俗営業の種別(前条第一項各号に規定する風俗営業の種別をいう。以下同じ。)に応じて、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)の許可を受けなければならない。

(用語の意義)
第二条 この法律において「風俗営業」とは、次の各号のいずれかに該当する営業をいう。
一 キヤバレー、待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業

(名義貸しの禁止)
第十一条  第三条第一項の許可を受けた者は、自己の名義をもつて、他人に風俗営業を営ませてはならない。

(罰則)
第四十九条  次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一  第三条第一項の規定に違反して同項の許可を受けないで風俗営業を営んだ者
三  第十一条(第三十一条の二十三において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

よくある無許可営業の2つのパターン

一般の方がイメージする無許可営業は,全く許可を得ないモグリのお店というイメージだろう。たしかに,全く許可を得ることなく営業しているお店もある。この場合には経営者も違法状態であることを認識しているだろう。

しかし,問題なのは経営者も自覚していないようなパターンだ。

2つのパターンがある。

1つは,ガールズバー,ゲイバー,サパーなど,深夜酒類提供飲食店(深酒営業)の届出を出して営業をしているお店が接待をしてしまう無許可接待パターン。

もう1つは,キャバクラなどの実質的経営者が従業員等他者の名義で許可を取って営業する別人名義パターン。

無許可接待パターン

この無許可接待パターンについては,以前,「ガールズバー・ゲイバー経営者が無許可営業で逮捕!接待行為とは?」という記事を書いたので参照してほしい。

ガールズバー・ゲイバー経営者が無許可営業で逮捕!接待行為とは?

前述のごとく,客を接待する飲食店では,風営法の許可が必要だ。この記事では,ガールズバーやゲイバーが風営法の許可を取らないまま営業し,「接待」してるから,キャバクラとかホストとかと同じで1号営業でしょ。にもかかわらず,許可を取ってないから無許可営業だとして逮捕されてしまった事例を紹介している。

風営法の「接待」とは?接待の定義と弁護士の経験から導いた警察が重視する4つの判断基準

別人名義パターン

今回のニュース事例も別人名義パターンの無許可営業だ。
これも,この業界で弁護士をしていると,キャバクラとかホストとかでよく見るパターン。

実質的な経営者やオーナーが深夜営業や客引き行為などによる摘発を逃れるため従業員等の名義で許可を取る。

1つの店舗が営業停止の行政処分をされても他の店舗までその効果が及ばないように許可名義を散らしておく。

このように,実質的な経営者が自分以外を形式上の経営者に据えて,許可を取ってるパターンだ。

今回のニュースでは,キャバクラ経営会社があって,その役員らが実際にキャバクラを経営していたとされている。
本来ならば,キャバクラ経営会社が風営法の許可を取らなければならない。
しかし,風営法の許可は,当時お店の従業員だった無職の男らに取らせている。

そのため,キャバクラ経営会社(の経営者)は許可なく営業をしたということで無許可営業の罪で逮捕された。
他方,無職の男らはキャバクラ経営会社に名義を貸したとして名義貸しで逮捕されたのだ。

弁護士として争うならば,誰が実質的な経営者かという部分を争うことになるのだろう。

実質的な経営者かどうかは,収益の分配割合,指揮監督をしていたかどうか,不動産の契約,人事の決定,現場に出ていたかなどなどから判断されることになるだろう。

キャバクラやホストクラブ,風俗店などの経営者から,名義を分けたほうがリスクヘッジとして良いのではないかという質問を受けることも多い。
しかし,本件のような名義貸し,無許可営業のリスクがあるので,その点を理解してほしい。

別人名義パターンの無許可営業・名義貸しの逮捕・摘発事例

《追記》
「都内で複数のキャバクラ店経営の男、他人名義で営業の疑い 逮捕」
東京都内で複数のキャバクラ店を経営する男が、摘発を逃れるため、他人名義で営業していた疑いで、警視庁に逮捕された。
風営法違反の疑いで逮捕された、キャバクラ経営・◯◯容疑者(41)ら2人は、10月、台東区上野のキャバクラ店を、他人名義で営業していた疑いが持たれている。
◯◯容疑者は、「名義を店の所有者から借りたが、営業には関わっていない」と、容疑を一部否認している。
警視庁によると、◯◯容疑者は、新宿や上野でキャバクラ店を十数店経営し、1つの店が摘発されても、ほかの店が営業できるよう、他人名義で営業していたとみられている。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00258035.html
https://kimura-office.jimdo.com/2013/11/19/都内で複数のキャバクラ店経営の男-他人名義で営業の疑い-逮捕/

このキャバクラ経営者は他人名義で経営していたとして,無許可営業の容疑。
名義人となっていた人が名義貸しの容疑と思われる。

「1つの店が摘発されても、ほかの店が営業できるよう、他人名義で営業していたとみられている」
このように考えるキャバクラ,ホストクラブ,風俗店の経営者はよく見かける。
ただ,このように無許可営業や名義貸し,風俗店であれば無届営業として逮捕,摘発されてしまう例が多いことから,弁護士としては実態に合わせた許可や届出をする方が結局はリスクは少ないですよとアドバイスすることにしている。

「名義貸し容疑で大手キャバクラ社長も逮捕/神奈川県警」
自らの名義で受けたキャバクラの風俗営業許可を代表取締役を務める会社に使用させたなどとして、県警生活保安課と戸部署は15日、風営法違反(無許可営業、名義貸しの禁止)の疑いで、横浜市神奈川区、会社役員◯◯容疑者を逮捕した。
同容疑者は、県内や都内、北海道で、少なくとも31店舗のキャバクラや飲食店などを経営する業界大手ーーの代表取締役社長。
逮捕容疑は、昨年3月8日、公安委員会の許可を受けずに横浜市内のキャバクラ4店舗を営業したとしている。また、自分の名義などで受けた営業許可をーー(会社)に使用させ、横浜市内のキャバクラ2店舗を実質経営させた、としている。
同課は、なんらかの違法処分で1店舗が営業停止処分を受けた場合、同一法人として営業許可を受けていると他店も営業停止になるため、こうした事態を防ぐために個別営業を装うのが目的だったとみている。

神奈川新聞 カナコロ
http://www.kanaloco.jp/article/26189

上記の例では,キャバクラを経営する会社の代表者が,代表者個人の名義で営業許可を受けている。
しかし,実質的に経営しているのは代表者ではなく会社だから,代表者は会社に名義を貸したとして名義貸しとして逮捕されてしまっている。

厳しい。
たしかに,会社の代表者であっても,会社と代表者個人は別物だ。

経営実態と名義はこれほど厳密に考えられてしまうという例。
背景事情は分からないが,このような事例でも逮捕されている例があるので,気をつけましょう。

まとめ

風営法上の無許可営業,名義貸しについてご理解いただけただろうか。

これらの罪は,罰則が重く警察から逮捕されて刑事処罰が下されるだけではなく,その後,営業停止処分などの行政処分が下される可能性がある。

さらに,組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(組織犯罪処罰法)では,風営法も適用対象となっているため,無許可営業をして得た利益が犯罪収益であるとして,組織犯罪処罰法に基づいて,売上金の没収がされてしまった事例もある。

このように無許可営業,名義貸しは非常にリスクが大きい。

様々な理由から名義を部下にしたい,複数人に散らしたいという思いもあるだろうが,その場合には,経営の実態,実質的経営者も許可の名義の人にしなければ,このようなリスクがあることを頭に入れて経営をしていってほしい。

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