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デリヘルで盗撮をした客は逮捕されるか!?

19/03/09更新

風俗トラブルの2大巨頭といえば,本番トラブルと盗撮トラブルだ。

前回は,風俗トラブルのうちの本番トラブルと逮捕について,記載したので,こちらも参照してほしい。

デリヘル等の風俗で本番をした客は逮捕されるか?本番強要と刑事事件について

 

今回は,デリヘル等の風俗での盗撮と逮捕,刑事事件化について説明する。

風俗トラブルの中でも盗撮被害が増えてきている?

カメラの高性能化や小型化などが原因なのか,スマホのカメラが高性能化しており気軽に撮影ができてしまうことが原因なのか…

後述する警察白書によると,スマホも含めた携帯電話で撮影されるケースが多いようだ。

上記データは風俗に限らない盗撮一般のデータだが,近年デリヘルなどの風俗店で働く女性キャストが盗撮被害にあうケースも増えているように感じる。実際,当法律事務所の弁護士のところにも,風俗店経営者やデリヘルで働く風俗嬢の方から,盗撮被害にあってしまったという相談が増えてきている。

悪質なケースでは,盗撮犯を問いただしてカメラを確認したところ,複数の風俗嬢とのプレイ動画が出てきたケース,インターネット上のアダルト動画販売サイトで盗撮をした動画を販売していたケースなどもあった。

風俗での盗撮は,風俗嬢にとっては死活問題だ。

盗撮をされただけでも気持ち悪いし,精神的に大きな苦痛を受ける。さらに,万が一インターネット上に流出してしまえば,その動画を完全に消し去ることが難しくなってしまう。動画の削除自体はできるとしても,風俗盗撮動画をダウンロードをした他の人がまたアップロードしてしまう可能性があるからだ。

デリヘルの経営者側としても,盗撮被害が広まれば女性が辞めてしまったり,求人が難しくなってしまったりとその損害は大きい。そのため,盗撮を防ぐ教育をしていくとともに,盗撮をされてしまった場合には早急に適切な対応を採る必要がある。

その1つが,本日のテーマである警察への被害届の提出や刑事告訴だ。

デリヘル等の風俗店での盗撮と犯罪

デリヘルの場合は,自宅かホテルを利用してサービスを受ける場合が多いだろう。ソープランドやイメクラ等の店舗型の場合には,その風俗店のプレイルームでサービスを受ける。

このような個室での盗撮は何罪に該当するのだろうか?

各都道府県の迷惑防止条例違反,軽犯罪法違反,わいせつ電磁的記録頒布・同目的所持罪が考えられる。

東京都の迷惑防止条例が昨年7月に改正されたことについては,過去の記事でも述べた。

東京都迷惑防止条例改正 〜風俗での盗撮が明確な犯罪行為になった!〜

それぞれについて,見ていこう。

迷惑防止条例と盗撮

各都道府県には,迷惑防止条例がある。東京都の迷惑防止条例の正式名称は,「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」だ。

迷惑防止条例での盗撮とは「正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であって、人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること」をいう。

盗撮行為のみならず,盗撮目的でカメラ等を設置する行為自体も犯罪行為になっている。

そのため,理屈上は,実際に動画などを撮られる前であっても警察が逮捕することは可能なのだ。ただ,その場合には,盗撮目的でカメラを設置したことの立証が難しくなってしまうため,事実上,警察が動いてくれる可能性は低くならざるを得ないだろう。

平成29年の警察白書によると,警察は盗撮行為については一般的に迷惑防止条例違反で逮捕等の取り締まりを行なっているようだ。また,盗撮事犯を抑止するための取締りの強化も実施しているとのことだ。

以下,引用する。

盗撮事犯については、一般的に都道府県迷惑防止条例等違反で検挙している。平成24 年中の迷惑防止条例等違反のうち、盗撮の検挙件数は2,408件であった。盗撮事犯の犯 行場所、盗撮行為に利用された供用物は、下の表のとおりであり、スマートフォンや携 帯電話を悪用する盗撮事犯が多くなっている。
警察では、盗撮事犯の抑止を図るため、広報啓発活動や取締りの強化を実施している。

https://www.npa.go.jp/hakusyo/h25/youyakuban/youyakuban.pdf

このように,警察では盗撮事犯の増加を重く受け止めて,その取締りの強化をしているようだ。

さらに,昨年7月に東京都の迷惑防止条例が改正され,盗撮行為の処罰範囲が広がった。改正前の東京都の迷惑防止条例では,その規制範囲が限定されていたのだ。

具体的には,「公共の場所・公共の乗物、公衆便所、公衆浴場、公衆が使用することができる更衣室、公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場所」での盗撮行為のみが罰則の対象だったのだ。

デリヘルで利用する自宅やホテルの室内,店舗型風俗店のプレイルームは公共の場所などの上記の罰則の対象ではないため,改正前の東京都の迷惑防止条例では,風俗店での盗撮を処罰することができなかったのだ。

この改正は,前述した,スマホの普及やカメラ機器の高性能小型化によって,公共の場所以外での盗撮被害が多発していることを受けて,その処罰範囲,盗撮行為の「規制場所」を拡大したのだ。

https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/about_mpd/keiyaku_horei_kohyo/horei_jorei/meiwaku_jorei.html

具体的には,「住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」が対象に含まれるようになった。これによって,デリヘルなどの風俗で利用する自宅やホテルの室内,プレイルームでの盗撮行為も処罰対象になったのだ。

その罰則は,1年以下の懲役,100万円以下の罰金だ。

常習犯の場合は,2年以下の懲役,100万円以下の罰金となる。

なお,東京都以外の各都道府県も概ね同じような改正がなされ,風俗での盗撮を処罰可能になってきている

ただ,それぞれの都道府県によって,条文の中身が若干異なっていたり,まだ改正がなされていなかったりすることもあるので,そこはしっかりと条文を確認をしてほしい

以上のように,警察は,盗撮行為の取り締まりに意欲的であり,東京都でも迷惑防止条例を改正し公共の場所以外での盗撮を処罰対象に拡大し,迷惑防止条例違反での盗撮犯の逮捕や自宅等の捜索などをしてくれる可能性が高まってきていると言えるだろう。

公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例

(粗暴行為(ぐれん隊行為等)の禁止)
第5条第1項 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
(1) 省略
(2) 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し 向け、若しくは設置すること。
イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)

(罰則)
第8条第2項 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
(1) 第5条第1項(第2号に係る部分に限る。)の規定に違反して撮影した者

第7項 常習として第2項の違反行為をした者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

軽犯罪法と盗撮

軽犯罪法では,のぞき行為を処罰する条文があり,窃視罪などと呼ばれている。

人の住居や浴場など,その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者が処罰対象だ。盗撮だけではなく,のぞき行為自体を処罰する法律だ。

前述のごとく,警察としては,盗撮行為については,迷惑防止条例違反で取締りをしようと考えているようだ。

ただ,まだ迷惑防止条例の規制対象が公共の場所等に限定されている都道府県もあるため,その場合には,軽犯罪法による逮捕等も考えられるところだ。

もっとも,その罰則は軽く,1日以上30日未満の拘留か,千円以上1万円未満の科料となっている。

軽犯罪法
第一条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
二十三 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者

わいせつ電磁的記録の頒布罪・同有償頒布目的所持罪と盗撮

わいせつ電磁的記録の頒布罪・同有償頒布目的所持罪は,風俗での盗撮動画が販売されたり,インターネットに流出させたりした場合に適用される。

実際に,当法律事務所の弁護士が盗撮被害を受けた風俗店,風俗嬢から相談を受け,対応したケースでも,風俗での盗撮動画をインターネット上の動画サイトで販売していた犯人が同罪で逮捕されるに至った。

わいせつ電磁的記録の頒布罪とはどんな犯罪なのだろうか?

要するに,わいせつな動画を配ったり,売る目的で所持したらいけませんという罪だ。何が「わいせつ」かどうかについては,曖昧で,議論の対象となるところだ。

古い判例では,わいせつとは,いたずらに性欲を興奮・刺激させ,正常な性的羞恥心を害し,善良の性的道義観念に反するものだと定義された。法学部生の多くが一度は覚えるものだ。

こんな定義されてもよくわからんよね。

実務上は,無修正で性器が写っているものを「わいせつ」と考えているようだ。

風俗での盗撮の場合,盗撮された動画や画像などに無修正の性器が写っており,これがインターネット上で販売されている場合には,わいせつ電磁的記録の頒布罪などに該当する。

同罪の罰則は,2年以下の懲役250万円以下の罰金だ。

刑法 第百七十五条(わいせつ物頒布等)
1 わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。

2 有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。

風俗での盗撮で警察は犯人逮捕に動くのか!?

以上のように,デリヘル等の風俗での盗撮行為も犯罪行為に該当する。

とはいえ,実際に警察は動いてくれるのか??

警察に被害相談に行ったが事件化してくれなかった。話し合いで解決するように言われてあしらわれてしまった。そのようなケースも確かに存在する。

しかし,前述したように,現在,警察は盗撮事犯の取締りを強化している。

また,盗撮は,本番とは異なり,盗撮をした明確な証拠を確保できることが多い。盗撮をしたカメラなどを確保できればそれ以上確実な証拠はないのだ。

盗撮被害にあった場合には,すぐにお店や弁護士の協力を得て,盗撮行為を認めさせ,証拠となるカメラを確保することが,その後の被害届の提出や刑事告訴のためにも重要となる。

もちろん,民事事件として,損害賠償請求をする際にもこれらの証拠が重要となる。

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